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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
124/243

ep.124 恋多き乙女とご縁

「何か凄いですね。とっても大事で大切なヒトって。しかも、何人もいるなんて・・・」

藍はまたクスクス笑い、

「そーどす?ウチにしたら普通どすけどなぁ」

直子は、真顔になると、

「彼氏達に言われないんですか?他の男と別れてくれって」

藍は少し困った顔をし、

「ん~、男はんだけ違うし、女の子もいてますえ。それから、彼氏彼女ではありおへんし」

直子はため息を()くと、

「はぁー、藍先輩は恋多き乙女なんですね・・・」

「そうどすなぁ、ウチは皆んな大好きどす。桜子ちゃんも、こころちゃんも、以蔵ちゃんも、晴明ちゃんも、皆んな皆んな大好きどす。もちろん、直子ちゃんも大好きどす」

直子は、学園で一二を争う美少女の先輩に大好きと言われて、かなりドキッとした。

顔を真っ赤にし、

「あっ、アタシはそっちの気はありませんけど、藍先輩も尊敬してますから」

藍は天使の笑顔で直子の頬に優しくキスをすると、無邪気にギュッと直子を抱きしめ、

「おおきに、直子ちゃん」

直子は更にもう一段真っ赤になり、照れてしまった。

そんな直子を尻目に、藍は携帯を取り出すと、メールの相手を確認する。

瑠奈からだった。


件名:ぉ願ぃ

本文:助けて欲しぃ女の子が居ます。皆んなの力を貸して下さぃ。女の子の名前は、稲美雪江ちゃんとぃぃます。


藍は手早く返事すると、1分もたたないうちに、例の着うたが鳴った。

藍はメールを見る。


件名:RE:RE:ぉ願ぃ

本文:ぁりがと、藍ちゃん。ァタシ達は富田森記念病院に居ます。待ってるね。


藍は、まだ呆けている直子に、

「ちゃんと、直子ちゃんの思いは、神さんは見てはるみたいどすな」

我に帰った直子は、

「はっ。どういう意味ですか?」

「それはどすな、直子ちゃんとこころちゃんがご縁が在った様に、雪江ちゃんもウチらのメンバーと接点が在ったって事どす」

直子は目を見開き、

「それって、もしかして・・・」

藍は、にぱぁと笑い、

「あい。そうどす。唯一、寮に住んでいないメンバー、瑠奈ちゃんどす。雪江ちゃんは、瑠奈ちゃんとどうやらご縁があったよし、良かったどすなぁ」


瑠奈は、ちょっと待ってねと言うと、メールを打ちだした。

雪江の問題解決と保護の件である。

こんな時のメールを打つ相手は、藍もしくはベスである事を瑠奈は知っていた。

恐らく、桜子とこころは、忙しく走り回ってるからである。

返事は直ぐに帰ってきた。

瑠奈はメールを見る。


件名:RE:ぉ願ぃ

本文:了解どす。

丁度、よろしおました。

こちらも、雪江ちゃんのお友達の直子ちゃんからの依頼で、動いてるよしご安心を。☺

今は、二人は何処どすか?


瑠奈は手早くメールに返信すると、藍からのメールを雪江に見せ、

「ほら、雪江ちゃん。直子ちゃん、ァナタの為に動いてくれているよ。良かったね」

雪江の目が大きく見開き、大粒の涙がこぼれ落ちる。

「なお・・・」

「ぁー、また泣ぃちゃダメだよぉ。雪江ちゃん」

そう言って、瑠奈は雪江を抱きしめる。

「瑠奈先輩・・・」

「ぅんぅん。まっ、ぃっか。泣くだけ泣ぃたら、笑顔になろ。後、1時間もしない内に、瑠奈ちゃん達が、ァタシ達を迎えに来るから、落ち着ぃたら病院に戻ろ」

春風が二人を優しく包む、空は高く雲一つ無い。

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