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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
122/243

ep.122 嫁の行き手が思いやられる

「何やら楽しそうどすなぁ~」

「ホンマネー、藍チャン」

藍とローズは、微笑ましい直子とベスの光景を見ながら入ってくると、

「ほな、お昼にしましょ、ベスちゃん、直子ちゃん。お待たせして、かんにんえ。お陰様でええの出来ました」

藍は、ペコリと頭を二人に下げた。

ベスは立ち上がり、大袈裟にお腹を触り、

「藍、アタシ、もーお腹ペコペコ」

直子も釣られて立ち上がる。

「藍先輩、全然構わないですよ。ベス先輩と楽しくお話してましたから・・・」

そんな台詞を言った時、直子のお腹が“ぐぅー”となった。

直子の顔が真っ赤に染まる。

藍はにっこり笑うと、

「体は正直どすなぁ、直子ちゃん。くすっ。ウチも、お二人と一緒でペコペコどす」

ローズも、

「ソー、直子チャン。ワタシモネー」

そう言った途端、ローズのお腹が直子以上の音を発てて鳴った。

「オー、ゴメナサーイ。ワタシ、一番ハングリーネ」

四人は顔を見合わせ、キャハハと笑いあった。

厨房から、四人に声が掛かる。

中年のいかにも大阪のおばちゃん然とした、少しドスの利いた声だ。

「ちょっと、あんたら、さっさと昼ご飯食べちゃってくれるかー。食べてへんの、あんたらだけやでっ。片付けたら、おばちゃん、駅前に買い物行きたいねん」

「あーい、おウメさん」

藍が元気よく返事した。

そして、付け加える様に、

「片付けウチするから、買い物行ってもよろしおすえ」

厨房からおウメさんは、おばちゃんパーマがよく似合う顔を覗かせ、

「かまへんの?藍?」

藍は、いつもの敬礼をして、笑って答える。

「あいっ」

「藍に、そう言ってもらったら、おばちゃん、ホンマ助かるわ。おおきに」

「かましまへんえ、おウメさん。それから、ウチらも片したら、出掛けるよし、お願いします」

藍はペコリと頭下げた。

ローズ、直子も続いて下げる。

おウメさんは不思議そうに、

「あら、ベスは行かないのかい?」

「はい、アタシは、今日はお留守番です」

「そーなんかい?だったら、お留守番のベスには、オヤツ買ってきてあげよ。何がいい?」

ベスの顔が明るくなり、少し考えると、

「お梅さん、今日はチーズケーキが食べたいです」

「ベスは、確か・・・。レアが良かったんだよね?」

ベスは大きく頷く。

刹那、食堂に残っていた他の生徒達も、

「えー、ベスだけズルイ~」

次々に口にしだしたので、おウメさんは深くため息を()き、

「もー、ウチの娘達は、どんだけ食い意地が汚いんだい。全員分買ってくるから安心しな。ホンマに、嫁の行き手が思いやられるよ。はぁ・・・」

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