表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
116/243

ep.116 藍の独り言?

聖マリア寮の五階の個室で、月刊フローレンス用の“超新撰組”の続き新作を描き上げたもう一人の覆面漫画家“神在月(かみありづき)あい”先生こと隼人藍は、伸びをすると何もない空間に向かって笑って話しかける。

写楽(しゃらく)ちゃん、お疲れどしたなぁ~」

心の中に女の声が響く、

《今回は、なかなか白熱した展開が描けました》

藍はミルクティーをすすると、

「ウチも面白いと思います」

《へへっ・・・。藍が面白いって言うなら、読者さんも喜んでくれるでしょ》

「あい、そーどす。写楽ちゃん」

別の声が心の中に響く、若い男の声だ。

《なぁ、藍、写楽。たまにはワシら勤皇の志士にも、もちっとカッコよく 描けんき?これじゃあ、坂本さんや武市先生にも、顔向け出来んちや》

藍は、にぱぁと笑い、

「まぁ、そのうちどすな、以蔵(いぞう)ちゃん。ん。それはそうとして、皆んなは今回の件、どう思てるんどすか?」

以蔵は、首筋をかき、

《俺は馬鹿じゃき、詳しくは解らんが、あの女子(おなご)達は護ってやらんとイカンと思うぜよ》

《ウチも、以蔵はんと同じ意見どすな・・・》

藍の心の中に、先ほどの写楽とは違う女の声が囁く、かなり色気有る声で、

明里(あけさと)ちゃんも、そー思うんや」

《そーどす》

別の女がゆっくりした口調で藍に囁き、

《ウチもそー思いますなぁ》

小督(おづつ)ちゃんも?」

《あい・・・》

先ほど写楽ちゃんと呼ばれた若い女の声が、

《私は、背後に何か有ると思います。お話やったら、その方が面白いし・・・》

藍はもう一口、ミルクティーをすすると、

「なるほどなぁ、写楽ちゃん」

《はい・・・》

《爺さんは、どう思うき?》

以蔵が爺さんと呼んだ新たな男が、答える。

《ワシは、あの直子ちゃんじゃったか・・・、の話じゃが、確かにもっとも。しかし、問題の根本を突き止める必要が有ると思うのぉ。式神使って調べてみるか?藍》

「あい、それがよろしいやろなぁ、晴明(せいめい)ちゃん」

《うむ・・・》

「ほな、晴明ちゃん、お願いします」

刹那、藍の身体がビクンと振動する。

藍(晴明)は引き出しから紙を三枚取り出すと、さらさらと呪詞を書き、折り鶴を折る。

藍(晴明)が息をふうっと吹き掛けると、折り鶴は姿を小鳥に変え命を宿す。

藍(晴明)は微笑むと、少ししゃがれた声で小鳥たちに頼むと命じた。

藍(晴明)が窓を開けると小鳥達は羽根を羽ばたかせ、ぴぃと鳴き飛び出していく。

藍(晴明)が小鳥達を見送って暫くした頃、部屋をローズがノックし声を掛ける。

「Hi! 藍chan, Why don't we take a lunch, now? (ハイ、藍ちゃん。お昼ご飯食べいきましょ?)」

藍は、何事も無かった様に振り返り、

「あー、もうお昼ご飯どすなぁ。食べに降りましょ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ