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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
115/243

ep.115 山崎の決意

忠志達も殴られた所をさすりながら、山崎倣い土下座し詫びた。

組長(おやじ)さん、姐さん、すんませんでした」

男達の声が墓地に響き渡る。

山崎は立ち上がり、振り返って弟分達を見回し、

「これで、一月(ひとつき)程、お前ら、身を隠してくれ」

そう言って、山崎は紙袋から封筒を取り出すと、忠志達に封筒を一人づつ渡していく。

封筒の中身は、一人百万円有った。

金を見て弟分達は驚く。

忠志が、口火を切り、

「秀ニィ、これじゃあまるで、手切れ金やないですか・・・」

山崎は頷き、少し哀し気げに、

「あぁ、手切れ金や。そう思ってくれてもかまへん。岸田を終わらせるのは、俺だけでエエ。ケツ拭くのはな・・・」

「そんな・・・、俺ら全員連れてって下さいよ、アニキ!」

山崎は孝弘に近付き、もう一度殴った。

「アホかっ!俺らが全員が動いたら、それこそ上の“天道白虎会”の総会長から、取り潰しの命が出るわ」

義雄が山崎の身を安じ、

「でも、そやったら・・・」

山崎は弟分達を見回し、

「だから、お前ら・・・。お前らしか、信用出来るのおれへんから、頼むんや!俺が墓前に代紋置いたの見たやろ?組を辞めたチンピラが、ヤクザを(あや)めるだけの話や」

言い付けに従う覚悟を決めた義雄が問う、

「今の会長(おやじ)は?どうされるんで?」

山崎はスーツの内ポケットから一通の手紙を取り出し、義雄に渡す。

封筒の表には、天道白虎会 総会長 虎谷厳ノ介蔵様とだけ書いてあった。

山崎は、一度だけ深呼吸し、話を続ける。

「俺の事がニュースで流れたら、この手紙をすぐに総会長に、秘密理に渡してくれ。方法は、大阪府警本部にお孫さんの鉄矢(てつや)さんが()るから、あの人に渡せば総会長に届く。上手くいっても、いかんでも、親父(おやじ)さんと姐さんが残したもう一人の跡取り、雪江お嬢さんをお前らが護り、そして、お嬢さんを中心として、新しく“河内稲美会”を再生させてくれ!俺がそれが俺らが先代の組長(おやじ)さんと姐さんに出来る最大の恩返しちゃうか?この通りや。頼む!」

そう言い放つと山崎は、石畳に正座し、弟分達に土下座した。

山崎はそのまま動かない。

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