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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
114/243

ep.114 場をわきまえんかい!

「岸田のヤロー!組を売るようなマネしくさって!」

一番年下の悌士が真っ先に切れた。

それに呼応する様に、信次郎が、

「アニぃ、俺に()らさして下さい」

「いや、アニキ、俺に!車にトカレフ積んでますから、俺に行かせて・・・」

孝弘の言葉を遮り、一番年配の義雄が、

「孝弘、ガキは引っ込んどけや!ワシがタマ取って来る!」

「あ”ーっ!誰に向かって言うてけつかんじゃ、オッサン!いわすぞ!!コラッ」

一触即発を見兼ねた忠志が、孝弘と義雄の間に割って入る。

「おい、義サンも孝も・・・」

頭に血が上っている孝弘は忠志の言葉を遮り、そして、忠志の右肩を張った。

「ビビりは引っ込んどけや!」

刹那、忠志は孝弘の胸倉を掴み、

「誰に対し()かしとんじゃ、あ”ー!オドレ、()めるなんか、簡単やねんぞっ!」

さすが関西一の武闘派と言われる“河内稲美会”・山崎一派である。

もうこうなると手の付けようが無い。

山崎は深くため息を()くと、忠志に近付き問答無用で横顔を殴りつける。

忠志は吹っ飛び、背中から石畳に落ち悶絶した。

忠志に手を離され、バランスを崩した孝弘の髪の毛を山崎は左手で掴むと、力任せに二度三度と頭突きをかます。

孝弘の鼻は出血し、戦意を喪失した。

山崎は孝弘の髪を離し、振り向き様に左の裏拳が放ち義雄の顎を殴り付ける。

義雄は口の中を切ったのか、顎を抑える手が赤い。

山崎はビビる信次郎と悌士を睨み据え、ずいと近付き、右の拳を悌士の腹に放つ。

山崎の拳は悌士の鳩尾(みぞおち)にまともに入り、吹っ飛ぶ。

悌士は前のめりに倒れると、その場で嘔吐した。

山崎は悌士を殴った勢いに任せ、左のフックを信次郎のこめかみ目掛け振り抜く。

鈍い音がして、信次郎は膝を折り倒れた。

僅か十秒にも満たない間の出来事である。

山崎は忠志達に吠えた。

「オドレら、ココ、何処や思とんじゃ!先代の組長(おやじ)さんと姐さんの前やぞ!場をわきまえんかい!」

山崎はそう言い放つと、稲美家の墓石に向かい、土下座した。

組長(おやじ)さん、姐さん、みっともない(とこ)見せて、すんませんでした」

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