ep.111 必ず運命を変えてぁげる
そして、瑠奈は病院の方を向き、眠っている正樹に言い聞かせる様に、
「ァタシ、嬉しかった。それから、暫くして、ァタシは正樹と結ばれたんだ。でもね、雪江ちゃん。ァタシ、正樹にね、正直に言ったの。初めて正樹と結ばれる時に。ゴメンなさぃ、ァタシ、ゥ”ァージンじゃなぃですって、ずっと乱暴されてぃました。だから、もし、それで嫌ぃになったなら、ァタシ、正樹の事諦めますって・・・」
雪江は、ゴクリと息を飲み込み、
「そっ、それで正樹さんは?」
「正樹は泣ぃてくれた。ァタシの為に・・・。もう傷付くのは充分だって、俺がずっと瑠奈を守ってやるって・・・。それから、正樹はァタシの身体を見て綺麗だ。ちっとも汚れてなぃって・・・、そう言ってキスをして、女神だって言ってくれた。ァタシ、凄く嬉しくなって、また泣ぃちゃった。ぁれ?変だね、晴れているのに雨かな・・・」
瑠奈の瞳に涙が溢れる。
今度は、雪江が瑠奈を抱きしめ、
「大丈夫ですよ、瑠奈先輩。正樹さんは、必ず元気になりますって。ええ、こんなカワイイ彼女、放っておきませんよ」
瑠奈は、自身のハンカチで涙を拭うと、
「ぁりがと、雪江ちゃん。元気付けるつもりが、元気付けられちゃったね」
雪江も首を横に振り、
「ううん。アタシも元気を貰いました。生きていれば、いい事もあるんですね。アタシも自身の未来に賭けてみる気になりました。運命に抗ってみます」
瑠奈は、ぐずっている鼻をハンカチで拭い、
「そっ、そぅだね。雪江ちゃん、ァナタとお友達の直子ちゃんの未来、ァタシ達“はねくみ”に託してくれなぃかな?運命に抗うの、協力させて欲しぃょ」
雪江は瑠奈の申し出を素直に受け止め、頷く。
《この瑠奈先輩なら、運命を変えてくれるかもしれない・・・。直子も、こころ先輩に同じ気持ちを抱いたのかな・・・》
瑠奈は雪江を元気づけるように、
「こころちゃんが既に動ぃているって事は、“はねくみ”が動くって事だから・・・。昨日、藍ちゃんから召集メールが来てぃたのは、その事だと思ぅし・・・。ぁのね、雪江ちゃん、一つだけぉ願ぃが有るの」
「はい」
「ァタシに話してくれた事、桜子ちゃんにも話してくれるかな?ぅぅん、無理なら言葉を選んで、ァタシが桜子ちゃんに話すし、もし万が一、誰かが反対しても、ァタシが説得して皆んなを動かし、必ず運命を変えてぁげるから」
雪江は、既に瑠奈の言う事は全て受け入れるつもりだったので、
「わかりました。生徒会長にもお話します」
瑠奈は大きく頷き、また、雪江を抱きしめ、
「ぅん、大丈夫。ァタシ達は無敵だから・・・。必ず護るょ」
今回のep.111 必ず運命を変えてぁげるはキリ番です。
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