ep.101 女を食い物に
「!!!、徳さん、アナタ・・・、変態ね」
徳野は、土下座の状態のまま、
「無理なのは重々承知しております。ただ・・・」
「ただ、何?」
声が上擦りながらも徳野は、
「あっ、余りにも、皐月さんのお身脚が美しいもんですから、はっ、はぃ・・・」
皐月は、右足の甲を徳野の顔の下、丁度、顎の辺りに入れる。
クイっと足首に力を入れ、足の甲を起こし徳野の顔を上げ、
「踏むのは嫌、でも、コレは如何?」
言い終わった瞬間には、膝を支点として、皐月の足の甲が綺麗に、徳野の左頬に入っていた。
心地好い打撃音が響くと、くるくるっと回転して、徳野は顔から床に落ちる。
徳野は予想外の展開に、鼻血を垂らしながら、
「うぅっ、ええわ。皐月さん、コレで一週間は頑張って生きていけます。おおきに」
徳野は、汗を拭いていたハンカチで鼻を押さえ血を拭うと、
「いやっ、血ーまで出てる。最高でございますやん」
かなり満足した様子で、
「よごさんす。“姫路不動組”の飯本についてお話さしてもらいましょ。そもそも、この男、クズですわ」
「ク・・・ズ・・・?」
徳野は思い出しながら、少し怒っている様子で、
「はい、私の知ってる限り、女を食い物にしてますな。コイツの手口ってのが、密入国の中国人や脱北者の女に麻薬持たせて来るって方法で・・・」
皐月は少し首を傾げ、
「どうやって?」
「皐月さん、女には男には無い穴ありますわな。大事な・・・」
「まさか・・・」
「ええ、そのまさかです。二重にしたコンドームの中にですね、覚醒剤を入れて、女のあっこの穴に入れて日本に持って来させるんですわ。もちろん、その女達にも、事前にダマして病気の予防ってゆーてシャブ打って密輸船に乗せますねん。つまり、密入国させた女達は、売春の商品であり、薬のお客さんであり、また、場合によっては闇金のお客さんでもある訳です」
皐月は深くため息を吐き、
「完全に逃げれないスパイラルね・・・。よくもまぁ、そんな手口思いつくわ」
「飯本の愛人の一人が中国人で、どうやらそのルートが基本になってるみたいでんな」
皐月はまた妖艶に脚を組み替え、
「つまり、岸田はその“姫路不動組”の飯本から覚醒剤を手に入れる事は可能か・・・」