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◇第2話 訪れたセカイの異変

スペースや改行が多いですが許してください。それはそれで個性ということで(- -;;)


――――――――





 俺は身なりなんて気にする暇も無く家を飛び出した。


 外は夏にふさわしいくらい晴れていた。


 まだ日が出て来てそう時間は経っていない時間なのに、外にいれば額から汗がじんわりと出てくる。


 そんな今の天気など気にする暇もなく蓮斗は学校に向けて動きだした。


 何故なら蓮斗にはもう時間はない。


 今から行っても間に合ってもギリギリ、9割方間に合わないだろうと半分諦めながらも足を進める。



 しかし蓮斗の気持ちとは裏腹に足がなかなか進まない。


 しかも蓮斗の家から学校までの間には多くの坂がある。


 その坂たちは蓮斗の足取りをさらに重くしていった。



(もういっそこのまま学校サボろうかな…なんて一瞬考えたけどそんな勇気がないことは俺自身が一番知っているんだよな…。)



 そんなとき朝の家族の言葉が何故か頭の中をよぎった。



「誕生日おめでとう…か…」



(――そっか…俺今日で16歳になったんだ)



 今日は7月10日

 蓮斗の誕生日だったのである。


 まぁ…当の本人は忘れていたようだが。



(……誕生日に壊れるだなんて俺の[相棒]=[時計]は反抗的な奴じゃないか。)




 そんなことを考えている蓮斗を、突如得体の知れない違和感が襲った。



(―――なんだこの違和感…いつもあって今足りないもの…。あ、そうか…ネックレスが壊れたんだった…)



 蓮斗は6歳の頃からおばあちゃんに御守りとして貰ったネックレスを肌身放さずつけていた。


 蓮斗はおばあちゃんっ子だったのも、あり昔からおばあちゃんの話を疑うことなく信じることがほとんどだった。現在進行形で。



(―――まぁ6歳の頃から使っているのだから壊れるのは仕方ないよな…むしろ今までよく壊れなかったな、あのネックレス……)



 とくに意味もなかったが言われたとおり毎日ネックレスをつける。それが蓮斗の日常の一部として定着化していた。


(―――よくいままで嫌がらずにネックレスつけていたよな…なんでなんだろ…。)


「でもあれあると安心するんだよな…。」


(――え?なんで声に出したんだろう俺…。)



 ネックレスのことを考えていると突然おばあちゃんの言葉が蓮斗の脳裏によぎった。



(お前は能力(ちから)が強すぎる?…抑える?ネックレスが壊れたときには信じたセカイへ進め?…)



 気が付けは蓮斗はおばあちゃんの言葉が脳裏から離れなくなっていた。


 そしてその言葉の意味を蓮斗は考えだした。



「――…ったく…どうゆうことなんだよ、ばあちゃん…御守りが壊れたからってなにか起きるのかよ。」



(――ま、漫画じゃあるまいしそんなことないか…。)



 そのとき今まで吹いていた風とは比べものにならないような強い風が吹いた。


――まるでこの言葉に反応したかのように。



 蓮斗はこの瞬間この言葉がなにか重要な意味があるんじゃないかと直感的に感じた。


……だが心当たりがない。


 考えても考えてもただ足取りが重くなるだけだった。



「はぁ…考えても知らないことは仕方がないか…学校に着いてから考えるか。」



 違和感の原因がネックレスだと分かり、遅刻しないように気持ちを切り替え、重くなった足取りを早めようとした。




 しかしまだなにかの違和感が蓮斗の中に残る。

 ネックレスよりももっと重大で大きな[何か]への違和感。


 違和感…それは蓮斗の日常が壊れたことによる違和感。



 そしてすぐさま蓮斗は違和感が何なのか、違和感の正体に気づかされた。


 違和感の正体は今まで体験したことのない状況。


 体験したことのない…いや体験するはずがないような状況に今蓮斗は置かれていた。


 それは今までどおりの日常ならば起こり得ない出来事。


 蓮斗も自分がいつこんな状況に置かれたのか全く気づかなかった。


 蓮斗はその場にただ立ち尽くしている。

 ただ呆然と現実を認知し、抗う術もなくただその場に…。




 そしてしばらくしてやっと蓮斗は理解した。




(――なにが起きているんだ…まるでセカイが止まっているみたいじゃないか)




 まるで夢のような光景が目の前…いやこの空間全体に広がっている。




――周囲を動いていたはずのたくさんの車、

――空にふわふわと浮かび流れていたはずの雲

――風に煽られ宙を舞っているゴミ、

――さっきまでの蓮斗と同じ様に登校中の学生、

――朝の散歩中の犬とその飼い主、

――風で揺れる歩道の木々の葉、

――大空を飛ぶたくさんの鳥たち、

――道路脇に整備されている溝に流れる水、


 なにもかもが止まっていた。


 自分という存在以外全てのものが。




 それはまるで世界のこの空間だけが切り離されているかのように。蓮斗はただ呆然と立ち尽くしながらも、自分以外は止まっている空間で、誰かが答えるわけでもないと分かりながらも疑問を問うしかなかった…。



「――なんなんだよコレは…」




 あまりに突然の出来事。


 こんなこと朝のテレビの占いにも書いていなかった。



…それはそうだろう。


 何故なら今のこのセカイは普通ではないから。


 いつも通っている通学路。


 それが突然いつもと違う状況になっている。


 知っている場所なのに知らない場所のように感じる。


 蓮斗はなにも分からないままその場に立ち尽くしていた…。


 どんな行動をとり、


 どんな言葉を話し、


 どんな表情をしていいのか分からないまま、


 ただあるがままに受け止めることしか今の蓮斗にはできなかった。



 今の蓮斗は非日常的な場面を打開する知識など持っていなかった。



 何故なら[いままでは]普通の高校生だったから。


 しかし彼の日常が意外にも脆く、既に崩れ去っていっていたのだった。




 そもそも彼、蓮斗自身が普通でないのなら?…




 真実は常に1つとは限らない。



 それは世界に光と陰があるように



 真実の光と陰が両方見えたとき



 今までとはまるっきり違う光と陰の合わさった日常が生まれる。






――――――――



 この日、この時


 彼の日常は崩れ去り


 新たな日常の構築が始まった。


 それは本来あった隠された日常に戻す行為。


 モノを覆っていた布をテーブルから取るのと同じ。



 それをどう受け止めるのかは彼自身なのだから…。



――――――――




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