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「最近憂鬱そうな顔してんな、祐介」
机を囲い昼食を取っている中で、辰生は訝しげに祐介の顔を覗きこんだ。
「え、あ、そうか?」
ぼんやりしていたせいか返事が遅れて狼狽える姿に、ますます辰生は顔をしかめて、うーんと唸る。
「うん、今にも飛び降りそうな感じ」
「え、祐くん死んじゃやだよ」
辰生の言葉に沙汰が慌てて祐介の腕を掴み揺さ振った。苦笑しながらその手をやんわりと押し戻して辰生を睨む。
「んなわけないだろ、なんでもねーっての」
おどけて笑って見せると、やれやれといったふうに辰生は食べ掛けの焼きそばパンにかじりつく。
そのまま沙汰が念を押すのに困ったように応える祐介をチラリと見やって誰も聞こえない小さな声で呟いた。
「…そうゆうこと、ね」