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沙汰の儚なげな少女めいた容姿と柔かな物腰は祐介だけじゃない、他のクラスメイトさえも引き付けて止まない存在だった。
男子ばかりのこの学校では、沙汰はあまりに危うい。
守ってやりたかった。のに
自分で汚してしまった。
「祐くんやっぱり、今日は変だよ?」
心配そうな表情さえ愛しい。どうにかなってしまいそうになる。
自制心がきくうちに、早く
早くこの気持ちを消してしまわないといけない。
せめて友達に戻れるように。
あんなことしても困った顔ひとつしない沙汰に、こんなにもやきもきしている自分はさぞ滑稽なのだろうな、と祐介は自嘲気味に笑って
沙汰の頭をくしやくしゃっと撫でた。