0 この世界への旅立ち!
どういう流れで、この世界に来てしまったのか?
エピソード0
異世界への旅立ち。
先ずは、この世界が地球ではあるが異世界であり。
何故私が今この世界の立場に置かれたのか?
から説明したいと思う。
今の状態から言えば、現在私のいる場所は、
フラン学園都市国家で私の兄スペイ王国第三王子が卒業してから2日後………
フラン学園都市学園長に呼び出され、飛び級制度の試験の最中である。
私の名と肩書はスペイ王国第四王子トモルシード、という名の13歳の少年である。
実はこの世界とは別の世界でバツ1子無しの五十代の冴えない中年男性であった。
どうしてこの異世界生活をおくる事になる羽目になったかと自分でも不思議ではある
が、その経緯を大まかに説明するとすれば
私は日本で普通に暮らしていた。
ある巨大台風の影響で河川に落ちてしまった少女を
何とか助け出せたのはいいのだが………
自分自身は流てきた大木で呆気なく死んでしまった。
そして、気が付いたら自ら
神様であると名乗る西洋人がこう話しかけてきた。
「君は本来まだ死ぬ予定でも時期でも無かったのだよ。」
と?
私はこれを理解出来ず、
まだ現状夢でも見ているのだろうか?
と自分の目を何度も擦ってみたが?
目の前の神を名乗る西洋人はにこやかな微笑を浮かべながらこう私に告げた。
「君は、まだ死ぬべきでは無かったのだよー」
いきなり神を名乗る西洋人風の男に
そう言葉を投げかけられても、己の夢心地は消えず
「失礼ですが、私の身近な神様と言えば仏様なので、これは私の幻?
又は夢なのではないですか?」
と思わず質問してしまっていた。
すると自称神様は「ホーウ」と言いながら、髪型だけを私に身近な大仏様へと変化させたのだが………
その姿に「ブッ」思わず吹き出してしまい。
「髪型だけ仏様では、ミスマッチとしか言いようが無く、笑えて話が頭に入らないので元に戻ってください。」
と発言してしまったが、
神様を笑ってしまったバツの悪さから
「あの~」
と変な夢だな〜と思いながら……
「私は、死亡してしまったという事で間違い無いのですよね?」
問い返していた。
「その事実は揺るぎないのだがね!
君はどのように死んでしまったのか覚えてもいないのかい?」
神様は微笑みながら、
そう私に問いかけてくる。
自分の記憶をゆっくりと確認しながら
「確か川に落ちた少女を
何とか助けたはずですが、
その後の記憶が全くありません。」
「まぁそうだろうな!
君は水難事故にあった少女を助けたした直後に、
流されてきた大木にその身体ごと潰された。
ここにあるのは、君の霊体だけで身体は既に存在しない。
今の所この世界には、
君の霊体に適合するカラダが見当たらない…」
そうかと自分自身が死亡した事実と向き合っていると
「なぁ、君は別世界に行って生まれ変わるなんて事には、興味は無いかね?」
と突拍子も無い事柄について自称神様は、私に提案してきたのだった。
私はどうせ夢なら、その提案に乗ってもいいんじゃないかな?
とあまり深く考えずに、安易にその提案を受け入れた。
「パラレルワールド的なモノですか?
どうせなら魔法とか使える世界の方が
何だか楽しそうでしょうねぇ。」
とその場の勢いで自称神様の提案に答えてしまっていた。
「魔法ねぇ~………ちょっとだけ探してみるから、少し待っててよ!!」
そう言うと自称神様は、暫し瞑想状態になり2.3分位黙り込むと
瞼の裏が忙しなく動き続けていたと思えば、
ギンとその両の目を倍ぐらいに大きくしながら…
「とてもいい条件の仮死状態身体が、異世界にあったんだけど
今すぐにでも君の霊体をその子に移すかい?」
となんと反応していいのか戸惑う言葉に慌てながら…
「チョット待って下さい!
アニメーションや映画の中では魔法が描かれている事は、知識として知ってますけど…
いきなり誰ともわからない異世界の住人の体に
自分の霊体を移すかい?
と言われましても納得出来ないですよ~」
私はこんがらがる自分の脳内を、
素早く整理しながらも
何とかパニックに陥らない様に自称神様に説明を求めた。
「君の発言の理由ももっともだが、
本来霊体という存在は
そうそう長く維持できるものでは無いんだよ。
それに君の場合死ぬ筈ではなかったとはいえ、
今の記憶を維持したまま
異世界へ送る事など!
異例中の異例な事案なんですよ!」
そう諭されると何も言えなかった。
見かねたのだろうか?
「君の心情も解らなくもないので、
1つだけこの世界から異世界への持ち込みを
私の独断で許可しましょう。何を望みますか?」
混乱する自分をヨソに
「スマホを!」
と答えていたが、自称神様は
「なるほど、スマートフォンですか。
確かに便利な機能でしょうけど………
調べる事や見る事は可能ですが
別世界からの発信はいくら私がこの世界の神でも
無理なことですが、
ソレでも良いのですか?」
一度死んだ人間から連絡が来る事ほど、恐い事はないだろう。
初めから仮に他者連絡を取れるとしても、
異世界から誰かに連絡を取ろうとは、
思いもしていなかった。
「はい!」
そう答えてから
「余りにもスマホの機能がグレードアップした場合は、
追加で頂けないでしょうか?」
そう発言してから、自分でも図々しいなぁーと考えてると
「そうですネェ。
判断を私に委ねるという事であるならば、
その条件で良いでしょう!」
本当にスマホで良かったのだろうか?
異世界では、魔法や強さのほうが重要な気がしてきて
「あの~いきなり向こうの世界で死んだりしませんよね?
ちなみに最強の人間に慣れたりもするんですか?」
と尋ねてみたけれど……
「ソレは君の頑張り次第でしょうけど、
不安ならば君次第で最強になれる可能性を
与えてあげますよ。
他に何もなければ、
君を異世界に送りますよ。」
そうだった霊体の自分は余り永くこの姿を留められないのだった。
「それで、よろしくお願いいたします。」
と頼むと
「では、新たな旅立ちです!異世界で頑張りなさい。
貴方は楽しい人でした。
私からGIFTもプレゼントをしますょ。
内容は秘密です…」
と告げられると同時に
急に視界が暗闇に包まれ暗転した。
私はある少年の記憶への追体験へと誘われていった。
自分の脳内に少年の思いや感情が一気に加速し流れ込み、感情の波に飲まれ込んで気が遠くなり…
そこで私の思考がパンクし気絶した。
これから始まる異世界生活?
少年の記憶を引き継ぎ、
異世界へ???