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プロローグ

令和の時代に剣術なんて古臭いものを学ばされていた、篠宮秀介(しのみやしゅうすけ)は、祖父の追跡から逃れるために篠宮家が有する裏山の古い神社の境内に来ていた。


長距離を走った上に山道を駆け上がってきていたので息も絶え絶えで汗もひどくかいていた。


「――だから俺は長距離苦手なんだってっ」


まず口を突いて出たのがこの言葉だった。


「しかしあの爺さんほんとしつこいな……」


その言葉も当然である。

何故なら山中にこだまする悪鬼の如き叫びが聞こえるのである。


「秀介ぇぇぇ!どこに行きおったぁぁぁ!」


「おお怖い鬼のような叫びだ」

聞こえていないのをいいことに悪し様にくさす秀介。


「しかしここの神社は変わらないなぁ」

あまり広くない境内を歩きながら懐かしむ秀介の顔には笑みが浮かんでいた。

暫く歩くと神社の裏手に差し掛かる、そこには一つの小さな社があった。

あまり手入れがされていないその社の前に腰を下ろし体を休めようとした。

そこで秀介は囁く様な声を耳にする。


―――ケ―、――ケテ―


木々の騒めきの音だろうと最初の内は気にしていなかった秀介。

だが、その音は徐々に大きくなりしっかりと聞き取れるようになった。

否、まるで頭の中に直接語り掛けているかのように聞こえてきた。


タ、スケ――、テ――。


秀介は、助けてと聞こえてきたように感じていた。

その頃には完全に聞き取れるようになっていた。


タスケテ―――!


叫んでいる、少女の声が聞こえてきたような気がした。


その声に語り掛けようとしたその瞬間秀介の意識は暗闇に塗りつぶされていった―――

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