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消毒 毒

 やっと研究室に入ることができた。

授業は午後からだったので、大学の研究をいくつか見せてもらうことになっていた。

 国内屈指の難関大学というだけあって多くの見学者が訪れるので、教授も研究室の職員も、手慣れた感じだ。

 水の入った容器と小さなコップ、それに様々な薬品を入れた瓶と試験官が戸棚に並ぶ研究室は白衣を着た研究員が数名いて、僕たちを見ると挨拶してくる。

エッバは気疲れしたのか、研究室に入ると机に突っ伏した。


「は~」

 ちなみに。

 彼女ほどの胸の大きさになると、机の上におっぱいが乗る。

 伸ばされた腕と、机に挟まれたブラウスの下にある巨乳。

 身じろぎするたびにぐにゅぐにゅと形を変え、服の上からでも柔らかさが伝わってきそうだ。

 服のしわが動くだけでも正直エロい。

 クリームヒルトは歯ぎしりしながら、エッバを悔し気に見つめていた。

 医学が進んでも人を巨乳にする技術はいまだ完成していない。


 乳貴族と乳平民の無言の争いが終わった後、エッバが起き上がり見学が始まった。

はじめは飲料水の腐敗を抑える研究だ。医学というより疫学に近いかもしれないが。

 戦場では清潔な水は貴重であり、汚水から病気が蔓延することも多いため研究されている領域の一つということだ。


 腐敗しにくい水というものを飲ませてもらったが、独特な臭いがしてとても飲めたものじゃない。

「変な臭い、まずいです~」

 エッバはすぐに吐き出し、クリームヒルトも顔をしかめた。

「まあこのように非常に不評なため、実践には至っておりませんが」

 研究員の一人は苦笑しながらコップ内の水を流しに捨てた。


「薬の閾値と副作用の閾値も曖昧ですので今回はかなり薄めたものにしましたが」


 量が毒をなす、と言われるように薬は量次第で毒にもなる。


 薬の閾値とはある薬品が人体にとって薬となる限界値、副作用の閾値とは毒になる最小の値だ。

この二つの値が離れているほうが、多少使いすぎても毒まで至らないので安全な薬とされる。毒と薬はさじ加減一つなのだ。

 薬品についての副作用も教えてもらったがかなりえげつない。


 毒として使用するほうがいいんじゃないかと思うくらいのものだ。  


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