王子の側近
ガーブル・フルクタル
王国トップクラスの実力者と名高く、その実力を買われウィルドレッド・サラ・マルゴニアの側近となった。
20代だが、年相応に見られないのを気にしている。杏曰く、グレゴは老け顔だったけど、ガーブルは確実におじさん。
がたいがよく、声が大きい。その威圧感だけで、並の人間ならば戦意喪失してしまうほど。魔法は使えないが打撃力は高く、丸太のように太い腕から繰り出される一撃は、力だけならグレゴをも上回る。頭に血が上りやすいのが欠点で、しばし注意されている。
ウィルドレッド・サラ・マルゴニアに忠誠を誓っている。その理由は、幼い頃から力を持て余し、故郷の村で腫れ物扱いにされていたが、ウィルドレッド・サラ・マルゴニアにその才能を買われ、持ち前の力の正しい使い方を教えてくれたから。
バーチ
王国トップクラスの実力者と名高く、その実力を買われウィルドレッド・サラ・マルゴニアの側近となった。
なにを考えているのかわからず、常に無表情なのが印象的。得物は短剣で、予想外の出来事にも冷静且つ冷徹に対応する。その冷酷さは、時に味方でも恐怖するほど。魔法の腕は高いらしいが、それを人前で披露したことはない。
姓は不明で、ウィルドレッド・サラ・マルゴニアに買われた人物とはいえ謎の多い人物。力はガーブルには及ばないが、力の使い方がうまく、パワーでなくテクニックで補い自身の力に変えていく。年齢も不明で、30代か40代、20代に見られることも。
ユーデリアの故郷の村を滅ぼした張本人であり、氷族を彼以外皆殺しにし、ただ一人生き残ったユーデリアを奴隷にしたのもこの男。目的は不明だが、これは独断行為であり、少なくともウィルドレッド・サラ・マルゴニアはこれを知らなかった。
村に攻め入ったときには王国の兵士幾人かと一緒であったが、これらはウィルドレッド・サラ・マルゴニアよりもバーチを主として動いていた部隊であり、彼らからこの件に関して王国に伝わることもなかった。しかしユーデリアは、この件がマルゴニア王国全体が噛んでいるものと考えていた。
ユーデリアが復讐すべき人物であり、杏にとってのウィルドレッド・サラ・マルゴニアのような存在。直接手を下している分、因縁はこちらの方が強いかもしれない。
ユーデリアとの戦いでは、魔法を使わずともその実力を持って彼と互角以上に渡り合う。が、ユーデリアの出す猛吹雪により場が雪のステージと化していくことで形勢は逆転。最期は、生きたまま氷漬けにされ、ユーデリアの手で破壊された。その欠片は、吹雪く雪の中に消えていった。
結局、なぜユーデリアの故郷を襲ったのか……その真相は、もう本人からも聞きだせないため、謎のままである。