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異世界召喚され英雄となった私の語られなかった話  作者: 白い彗星
キャラ紹介 ~マルゴニア王国~
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勇者パーティーメンバー



 グレゴ・アルバミア


 『剣星』と呼ばれる硬派な男で、剣を取らせたら敵なしと言われる。それゆえに『剣星』と呼ばれ、剣同士の戦いならたとえ『英雄』が相手でも敗けはない。がたいがいいゆえに仲間内から筋肉ダルマと呼ばれることがあるが、本人は強く否定している。18歳であるが老け顔なことを気にしている。


 己の身長と大差ない大剣『グレニア』を振るう。この剣は元は幼い頃に亡くなった姉が使っていたもので、またグレニアという名も、姉の名を取った。本来は片手で振るえる細い剣だったが、鍛え打ち直す度に大剣となった。


 貧しい村で育ち、貧困ゆえに日々人が死んでいく生活を送っており、姉もその犠牲の一人。力をつけ、王国に認められる人間になって稼ぎ、故郷を裕福にするために王国の騎士団に志願。


 元々の剣の才能、誰よりも血の滲むで頭角を現し、そしてウィルドレッド・サラ・マルゴニアに見定められたことで『剣星』の地位につく。そのおかげで故郷の村に援助ができ、貧困から抜け出すことができた。この事から、彼に恩義を感じている。


 硬派な見た目に反して、繊細な心を持つ。仲間が死んだときは他の者を慰め、一人涙していた。これは誰にも気づかれていないと思っているが、実はメンバーはみんな知っていた。


 魔王討伐の戦いに同行することになった際には、必ず生きて帰ってくることを約束して村を出た。道中、自分が死ななかったのは悪運の強さ、村の思い出、仲間のおかげだと思っている。戦いのあとは、亡くなった仲間のことは一日たりとも忘れたことはなく祈りを捧げている。


 共に旅をした杏については、初対面時こそそっけない態度を取っていたが、彼女の立ち振舞いや生き方から次第に亡くなった姉の影を重ねるようになり、信頼していく。別れの際には人目も(はばか)らず涙し、彼女を若干引かせた。


 その後は王国のために働いており、王国騎士をまとめたり王国に仇なす存在を斬ったり、常人には任されない仕事を請け負っている。


 ある時、とある村が壊滅したとの報告を受け、そこに向かう。自分の故郷の村を重ね、表には出さないものの悲劇を引き起こした人物に激しい怒りを覚えるが……



 エリシア・タニャク


 『魔女』と呼ばれる女性であり、得意分野は回復だが他でも優秀で、22歳にして魔法の腕で彼女の右に出るものはいない。が、世界を越えるほどの召喚魔法を扱えるウィルドレッド・サラ・マルゴニアには召喚魔法の面では及ばない。


 異性はおろか同性も虜にすると言わんばかりのスタイルで、杏含め女性陣には羨みと嫉妬の視線を向けられている。


 比較的に裕福な家で育ったが、ある日家族含む村人から煙たがられるようになる。本人としても苦い記憶であり、魔法の腕が抜きん出ていたことが原因。(よわい)五つにしてその才能はすでに村の人間の中で一番であった。そのせいで村人にやっかまれるようになる。


 その後十八になり村を出ることを決意。稼ぐために人の傷を治したりその地の問題を魔法により解決していた様子が王国の耳に入り、声をかけられる。家族や村人に厄介者扱いされるようになった魔法は嫌いだったが、生きるために仕方なくやっていた。


 以後『魔女』の称号を与えられる。が、魔王と響きが似ているから本人はこの称号を気に入っていない。


 異世界から来たという杏とは比較的早くに打ち解ける。杏の明るい性格とエリシアの子供っぽい性格がうまい具合に絡み合ったのだと、周囲は語る。


 そのことから、エリシアは杏の異世界での初めての友人となる。まるで姉妹だと言われていたが、年上であるエリシアの方が妹として見られていたのは本人には内緒である。


 魔王討伐の旅では、得意とする回復魔法を中心に、サポート役に徹し何度もパーティーの危機を救った。だがいかに偉大な魔法使いであろうと死者を甦らせることはできず、死んだ仲間を前に己の無力さを痛感した。


 杏を除き、グレゴとエリシアは魔王討伐の度から生きて帰ったたった二人の生還者であり、栄光を讃えられ迎えられる。その後は、杏との別れを惜しみながらも笑顔で見送った。それからはグレゴと同じく王国のために働いており、魔法術師団に魔法を教えたり、己の分野を活かす仕事をしている。


 魔法を人のために役立てることに喜びを見出だし、それを気づかせてくれた王国に感謝している。


 ある時、とある村が壊滅したとの報告を受け、そこに向かう。そこで被害にあった人たちは、かつての仲間である杏が使う戦い方に似た被害を受けており、これは杏の戦い方を真似て犯行に及んだ人間の仕業だと、憤怒する。



 ターベルト・フランクニル


 『剛腕(ごうわん)』の名を持つに相応(ふさわ)しい屈強な男。だが見た目とは裏腹に面倒見がよく、小さい子供からはわりと人気。37歳だが若い者には負けない。


 武術に長けており、その身一つでこれまで様々な困難を越えてきた。剣や魔法は使えないが、それを差し引いても余りあるほどの怪力を持つ。


 杏の師匠であり、武術や戦い方、心構えに至るまで教えた人物。杏をして、「彼には絶対に勝てない」と言わせた。『英雄』となった今でも、杏はその考えを変えてはいない。魔物を前に萎縮していた杏に、戦いのお手本を示した。


 物事を冷静に観察することができ、且つ勇者パーティー内では最年長でもあったためにメンバーから頼られる兄(場合によっては父)のような存在になっていた。本人も満更ではなく、面倒見がいい性格も相まってメンバーの相談を受けたりもしていた。


 魔王の出現や、異世界から召喚されたという杏の存在も笑って受け入れる懐の広さを持ち、豪快に笑い飛ばした。その姿勢がかえって杏に信頼される要因となった。


 仲間と認めた者に優しい反面、それらを傷つけられると怒りを露にし、その姿は仲間でさえ震え上がるほど。また、仲間の成長も自分のように喜び、魔王討伐の旅に行くために修行していた杏の成長を実感した際は、彼女を力一杯抱き締めた。危うく魔王討伐の旅の前に死んでしまう前だったと、杏は思ったらしい。


 魔王との戦いでは杏、グレゴ、エリシア以外にただ一人残っていて、実際に魔王と対面した。『勇者』と『剛腕』の力は魔王を圧倒するほどだったが、魔力の尽きたエリシアの一瞬を隙を狙われ、魔王の攻撃から庇ったことで致命傷を負う。


 エリシアの魔力が尽きていなければ助かったかもしれないために彼女は自身の力のなさを呪うが、それを気に病むことはないとエリシアに言い残し、仲間を守れたことを満足に逝った。


 ちなみに家族はおらず、勇者パーティーの面々が家族そのものであった。杏のことは実の娘のようにかわいがり彼女もターベルトになついていたため、彼が生きていればその後の杏の行動も変わっていたかもしれない……



 サシェ・カンバーナ


 『弓射(きゅうしゃ)』の名を持つ弓使いの女性。狙った獲物は逃したことがなく、幼い頃より狩りをして生計を立てていた。23歳だが落ち着きがない。


 野生に近いところで育ったためか鼻が利き、時折動物なのではないかと思わせる行動をとる。あまり羞恥心がなく、男性陣もいる中で裸になろうとするためそれを杏やエリシアが止めるのはもはや日常茶飯事。


 とにかく目がよく、杏たちに視認できないほどの距離の魔物を射抜くこともできるため、早々に彼女はなくてはならない存在となる。


 女性仲間の杏、エリシアと仲が良いのはもちろんのこと、男性陣ともスキンシップを厭わないほど仲が良く、特にボルゴ(後述に記載)はよく自分の世話を焼いてくれるため、なつく。野生ゆえに安心できる存在になついたんじゃないかと、杏は推測。


 幼い頃から狩りをしていたため、当初より魔物を倒すことに容赦がなく、魔物とはいえ生き物を相手に萎縮していた杏やエリシアに変わり前線に立つ。


 人の好意など、嗅ぎ付ける力はあっても意味は理解できなかった。が、後にボルゴに告白され恋人同士になる。


 魔王討伐の旅の最中、魔物の大群に襲われパーティーを分断され一人になってしまう。みんなの所に戻るため力の限り戦い、最終的にはすべての魔物を倒した。が、その時はすでに力を使い果たし、彼女は息を引き取った。


 ボルゴとは恋人同士になったが特別なにをしたわけでもなかったが、彼といた温かい時間は彼女の宝であり、最期を看取ってくれたことに満足な笑みを浮かべて逝った。



 ボルゴ・ニャルランド


 『守盾(もりたて)』の名に相応しく、一切の物理、魔法攻撃を防ぐ力を持つ男性。26歳だが、あまり積極的な性格ではないため、年齢よりも頼りに思われていない。


 魔法が使えるがそれは防御類のものしか使えず、平和な村で暮らしていた彼にとっては意味のないものであった。が、魔王の出現により自分にもなにかできることはないかと、自ら王国に志願。


 引っ込み思案な性格で、危うく門前払いをくらうところであったが、ボルゴに可能性を見たウィルドレッド・サラ・マルゴニアの計らいにより力を見せる。見事、王国騎士団や魔法術師団の猛攻を防いだことで、認められる。


 自ら盾を造ることや、武器の盾に自身の魔法で強化することが可能。ちなみにこれは守る力であるため、盾を攻撃手段に用いようとした段階で盾は消える。


 引っ込み思案であるがゆえに当初は勇者パーティーの仲間に自分から話しかけることができなかったが、そこへサシェが話しかけてきてくれたことがメンバーと話すことができたきっかけ。また、彼女に惚れることになったきっかけでもある。


 魔王討伐の旅の道中、いつ死ぬかもわからない危険と隣り合わせな旅に危機感を抱く。旅の最中も良く話しかけてくれたサシェに対して想いを伝えるべきか悩むが、ターベルトに相談した結果、伝えずに後悔するより伝えて後悔することを選び、告白。見事成功する。


 これ以降、サシェや仲間を守りたいという気持ちがいっそう強くなり、魔法も強化された。このことが、勇者パーティーの危機を何度も救うことになる。


 魔物の大群にパーティーを分断された際、たった一人になったサシェを心配して自らが傷つくのも厭わず彼女を探す。結果的にサシェの死に際にはただ一人間に合ったものの、彼女を助ける術を持たない彼は涙した。


 その際、彼女からの頼みで最初で最後の口づけを交わし、見送った。


 その後、亡きサシェの思いを継ぎ、仲間のことを『本当に守りたい』としてさらに高めていく。


 仲間のために戦うが、魔王を守る四天王との戦いの最中、即死級のダメージを受けてしまう。油断していたわけではないが、自分の盾が破壊され、且つ回復させようのない即死ダメージを与えられたことでついに命尽きる。


 しかし意識が消える刹那、仲間を『守る』ために力が発動し、自分が受けたのと同じダメージを四天王に跳ね返し、相討ちの形で一子報いた。


 ちなみにこの力は、大切な人を失ったボルゴが『本当に守りたい』と思ったものに気づいたとき、且つ自身も死ぬほどのダメージを受けたときに自動的に発動するのではとエリシアは考えており、奇しくもサシェを失ったことで発動した力とも言える。



 魔王を討伐した後、三人の墓は並んで大きく作られ、世界を救った者として讃えられている。

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