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杏の関係者



 早坂(はやさか) (みなと)


 有紗の妹であり、杏の叔母に当たる女性。姉の家族に対して、まるで自分の家族であるかのように親身に接する心優しい人物。特に杏のことは、姉の一番目の子供ということもあり可愛がっていた。


 杏がいなくなってからは、取り乱す姉有紗や義兄、あこを落ち着かせることに努め、自分も取り乱したい気持ちを必死に抑え冷静を貫いた。


 身内を失うことで壊れていく姉を見ていられず、それでも杏が戻ってくることに希望を見ていた。しかしそんな姉の姿に、自身もだんだん精神を病んでいった。


 杏の失踪から一年、見つかった彼女を激しく抱き締めた。誘拐などなんらかの事件に巻き込まれた可能性を考えていたが、杏自身が否定したこと、なのに今までどこに言っていたかを頑なに話さないことから、不満が爆発。


 事件に巻き込まれたならまだしも、その可能性を杏自身が否定……この一年の行き先も口を閉ざす彼女に対し黒い感情をぶつけてしまう。当初は困惑したが、しかし杏に黒い感情をぶつけたことで胸が晴れていった。


 いつしか、誰よりも可愛がっていた杏に誰よりも憎しみの感情をぶつけるようになる。姉が、姉の家族がああなったのは、杏のせいだと……呪うように。


 精神が壊れてしまった姉の面倒を看ているが、疲れきった心身から魔が差しかけたことが何度かあり……それはこの先も、なくなることはないだろう。



 神城(かみしろ) 奏多(かなた)


 杏の恋人。クラスの人気者であり、スポーツ万能成績優秀と絵に描いたような人物。


 杏とは高校からの付き合いであるが、二人の関係はキス止まり。周りからはその初さをからかわれながらも、清い関係を続けていた。


 杏がいなくなる前日……ちょっとしたことから彼女と喧嘩をしてしまう。その後、頭を冷やし翌日に謝ることを決めるが……杏と会うことは、二度となかった。


 喧嘩別れしてしまったことが、杏失踪の要因になってしまったのではないか……そう考えてしまい、杏の家族にも申し訳なく、ある日自ら命を絶ってしまう。


 ちなみに、これは杏も知らないことだが……杏の父正人と妹あこが遭った交通事故、その車を運転していたのは奏多の親である。結果的に奏多の親が杏の父、妹を殺してしまい、有紗の精神崩壊を引き起こした。


 この事実こそが、奏多が自ら命を絶った本当の理由である。

湊が杏を憎むことと、杏が異世界を憎むこと……突き詰めれば八つ当たりである両者は、皮肉にも似ているということになるのです

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