プロローグ
ああ、どうしてこうなったのだろうか。
いや現実逃避するのは辞めよう。
全て自分が原因だ。
自分のせいでこうなったのだ。
こんな自分に嫌気がさしてくる。
何でもっと人を疑わなかったのか、何故もっと注意深く確認しなかったのか。
城から出た時のあの兵士達の軽蔑の眼差し、祠の前に着いた時のあの表情。
ヒントならたくさんあったはずなのに何故気づかなかったのか。
クソ!こんな奴らの為にあんな事をやっていたと思うと馬鹿みたいな自分をしばき倒したいが、時間を戻す事もできず、絶望するばかりだ。
どれだけ自分が悪いとしても、納得できる訳もなく。
背中の大きな傷から大量の血が流れていくのを感じながら、今までの馬鹿みたいな光景が頭の中に浮かぶ。
きっとこれは自分への罰なのだろう。
何も知らない者達を盲目的に信じてしまった自分の。
だが、もしまだチャンスがあるのなら、次こそは自由に生きてやると。
でも、そんな事を誓ったところで、どんどん体温が下がっていっている。
意識もだんだん朦朧としてきた。
そんな絶望的な状況の時、その声は聞こえた。
【条件を満たした為、スキル『魔力変換』を取得しました】
その声が聞こえた直後、背中の痛みが消えて不思議と意識が覚醒していく。
そっと周りを見るといると襲い掛かってきた兵士達は影もなく、何も残っていなかった。
それから慌てて自分のステータスを確認する。
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ライア・ウルガット
レベル:12
HP:120/120
魔力:1080/1300
筋力:330
耐久:280
俊敏:300
魔防:270
幸運:100
血統スキル
『封印魔法Lv.Max』
伝説スキル
『魔力変換Lv.1』
希少スキル
『祈祷術Lv.Max』『魔力掌握Lv.Max』
普通スキル
『集中Lv.Max』『光魔法Lv.3』『火魔法Lv.2』
『杖術Lv.5』
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何だこのスキル!? さっきの声はこのスキルを習得した時の《天の声》か。
いつの間にか背中の傷も治っているし。どんなスキル何だ?
魔力を変換するスキル?
あれ? いつの間にか魔力が大量に減ってる。その分HPが回復させたって事か?
魔力を別の物に変化させる事ができるって事か?
どんな物にでも変換でるのか?
ちょっと試してみるか。
「まずは石にでも変換してみるか」
頭の中で手のひらサイズの石を思い浮かべる。すると手の上にコロンッと現れた。
「おぉ~、できた!‥‥なるほどこんな感じか」
その後もいろいろ試してみると、まあまあ魔力は使うけどなんでも作れるっぽい。おそらく、魔力さえあればなんでもできるのだろう。
そして意を決して気になっていた事を試してみる。そっと目を開けてみると予想道理のステータスがあった。
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ライア・ウルガット
レベル:1
HP:120/120
魔力:0/1300
筋力:780
耐久:280
俊敏:300
魔防:270
幸運:100
血統スキル
『封印魔法Lv.Max』
伝説スキル
『魔力変換Lv.1』
希少スキル
『祈祷術Lv.Max』『魔力掌握Lv.Max』
普通スキル
『集中Lv.Max』『光魔法Lv.3』『火魔法Lv.2』
『杖術Lv.5』
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・・・よし!思った通りだ。筋力も魔力を変換して増やす事ができるぞ。これをずっと続ければ誰も俺の邪魔はできなくなる!
そして魔力が回復するまでどこかに隠れようとすると、瞼が急に重くなり意識がゆっくりと落ちていった。