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プロローグ 

処女作です……キレイにまとめられてない点、改善点、矛盾点があれば直していきたいです!

とある高専のとある研究室にて


「ふぅ」


俺はドライアイスを包むと、一息つく。


「ん〜〜」


と肩を伸ばしていると、研究室独特の薬品の香りが鼻をくすぐり、中途半端なところで片付けられている実験器具が目に入った。


「ハロー! 進みはどう?」


と、俺の首筋ヒンヤリとした何かがあたり、元気な声が響く。


「冷たいって!! お前ホントこういうベタなの好きだよな……」


「私は今でも少女マンガ読む派なんだよ!」


「歳を考えろ、歳を!」


という会話をしている今年で19歳(とても元気な女)はいわゆる腐れ縁で、幼なじみという奴だ。幼稚園から高専まで、全部同じ組で同じクラスというまるで本当に少女マンガのような境遇だ。現在ではバイオ系の研究室さえも同じ所属になっている。

それなのに……なんで……こんな……


「ハァ……」


「なんとな〜く、お前の考えてることはわかったぞ〜!」


と、肩に「ガッ」と手を置いてくる。ギリギリと指が白衣に食い込み、とても痛い。


ある程度片づけ終わり、結果をまとめていると彼女は

「で、……調子はどうなの?」

ぶっきらぼうに缶コーヒーを渡しながら、気軽に聞いてきた。


「どうって……まっ、こんな感じだよ」

体をよけ彼女にパソコンを見せながら、慣れない苦い味を口に含む。


「あっ、ここ誤字ってるよ」

「え、……マジかよ?」


とくだらないことで彼女と談笑していた時だった。

奇妙な圧迫感がせり上がってきたのは……


「ん? おい感じるか?」


思わず彼女に圧迫感の正体を尋ねるが、


「まったく、こんな場で感じるとかセクハ……」


ジョークだと思われたのかまったくとりあってもらえない。

そうしている間に圧迫感次第にはカタカタと小さな揺れに変わっていき……


「違うわ! 揺れてないか?!」


「え、揺れ……?」 

次の瞬間、俺たちは強烈な揺れに襲われた。


「キャッ!」


彼女は揺れに耐えられずよろめいてしまう。


「馬鹿! さっさとデスクの下に……」


来いとデスクの下に引っ張ろうと手を伸ばしたときだった、視界の隅で何かがこちらに迫って来ているのが入った。


そのことを理解した刹那、体は俺の意思とは関係なく彼女を突き飛ばしていた。

突き飛ばした数瞬後、俺の体にものすごい圧力がかかり、思わず倒れこんでしまう。


「いてて……はっ! 大丈夫!?」


とまだ揺れが収まっていないのにも関わらず彼女は懸命に這いながら、こっちに駆け寄ってきた。


「おいおいそんな心配すんなって、俺を誰だと思ってんだ」


軽口を叩くと、少し安心したような顔をしたがすぐに顔を引き締めると、


「待ってて! 今助ける!」


その言葉で、今自分がどんな状況なのかようやく理解した。

さっき迫っていたのは各論文が入っていた大きめの本棚で、現在俺は床と本棚で仲良くサンドイッチ状態だったのだ。


やがて、揺れが完全に収まると幼なじみは女の身では本棚を退かすことができないのを歯がゆい顔で、何か本棚を退かせるものがないか血眼で探していると、


「君! 早く避難しなさい!」


と、もの凄く通る声で俺たちの研究室の担当の先生がこちらに走ってきた。


「ちょうど良かった! あの本棚を……」


と、幼なじみが口にした時、再び揺れが俺らを襲った。

先生と一緒に幼なじみは入り口の方に避難したが、ちょうどそこに棚から薬品の入った瓶が降ってきた。


「危ない!!」

先生が手を彼女の手を引き、なんとかギリギリで二人は瓶を回避していた。


だが、連鎖的に本棚やデスクが倒れ俺と二人を裂くように道を塞いでしまう。


耳をすますと、幼なじみが俺を助けようとしているのか、口論が発生していた。


「離してよ! 早くたすけなきゃ!」


「早く避難しなさい!! 彼は後で必ず助けるから!」


「でもっ!……」


「私には君を生かす義務がある!!!」


「っ! 必ず生きててよ! 私あなたに伝えたいことがあるんだから!」




相当感情が高ぶっていたのであろう、もの凄くクサいセリフをはいて、二人は急いで避難していった。

伝わったか定かではないが「分かった、絶対生きててやる!」と返事をしながら、俺は物をどかし呼吸を確保できるスペースを作っていた。我ながら余裕あるなと思いながら自分の今の状態を確認する。


(うん、……手はスペースを作るときに使ったから大丈夫そうだな、足の方は……)


足を動かそうとすると、鈍痛が足から脳に襲い、思わず体がすくんでしまう。

(ぐっ……! クソ痛いぞこれ、倒れてきたときに捻ったか、最悪骨折か?)


一度痛みを自覚してしまったからか、足の痛みをひしひしと感じる。


(しばらく助けが来るまで動けないよな……)


と、先程の彼女の言葉を思い出していた。


(にしても、あいつがあんなクサイこと言うなんてな……グフフ、次あったときに死ぬほどからかってやる)


そんな状況に似合わずふざけてた考えが浮かんだ時だった……

明確な異変を感じたのは!


(おいおい、なんだか()()()()()()()()()()()()


(そいつは、おかしいだろ! 火災とかで熱くなるならまだしも涼しい?)


好奇心旺盛な自分の脳がフル回転するのを感じ、やがて最悪の考えにたどり着いてしまった。 


(まさか……これ、さっきのドライアイスか!?)

すぐさま自分の口を覆い熟考する。


ドライアイスは昇華性なので気体になりやすく、気体になってしまうと700倍以上に膨らんでしまう。そして爆発的に膨らんだドライアイスは二酸化炭素となり中毒を引き起こす。おそらく、先の揺れでドライアイスが落ちてしまい包み方が甘かったため溢れて、一気に気体化してしまったのだろう……と冷静に結論づけてみたはいいが、俺はパニックを起こしてしまう。


(まずい、まずい、まずい、ドライアイス何キログラムあると思ってんだよ! この状況は死ぬ! クッ、足は動かないし、辺りにはドライアイス、救助はいつ来るか分からない! どうする?)」


考えても考えてもいいアイデアは浮かばずただただ無作為に時間だけがすぎてゆく。


(何分たった? 救助はいつ来るんだ? クソッ、呼吸が苦しい!)

自分の周りはどんどん冷たくなっていき、呼吸もそれに伴いできなくなり……


ーーそしてここで一人の男性が命が散ったーー












あ、……作中にでてきたドライアイスによる窒息死は実例がちゃんとあるから、皆も密閉した空間でドライアイスの使用はしないようにね!

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