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第一章 約束事

 

 快適、公平に犯人当てを楽しんでいただくため、まず、この小説を読む上で筆者が守るべき約束事と、読者の方に守っていただきたい約束事を、決めておきます。


「なんだそりゃまどろっこしい」と思われる方もおられるかもしれませんが、やはり犯人当て小説である以上、約束は決めておくべきでしょう。


  後から「卑怯くさい手を使いやがって」と云われたくありませんし、また、約束事を決めておけば、読者の皆様も余計なことを考えずに済むはずです。この章の次の一章が問題編となるので、少しだけ我慢してください。


 後述する、私が考えた独自の約束事に従って、犯人を考えてください。その約束事を破った人に、犯人を当てる資格はありません。が、身構える必要はありません。推理小説を読む上で当たり前のことを列挙するだけですので。


 と、列挙する前に、まず大前提を決めておきます。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。全て真実です。また、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。読者の皆様は、そこを疑う必要はありません。


 例えばこの章に『エドガワランポ先生は犯人ではない』と書いてあるならば、登場人物『エドガワランポ』は絶対に犯人ではありません。解答編にて「実はあれは嘘でした」などとは、絶対にやりません。


「前提がどうとかまどろっこしい。早く本編いけよ」と思われるかもしれませんが、数多の推理小説に騙され続けた読者の中には、非常に疑り深い方もいらっしゃいます。そんな方にも安心して楽しんでいただくためには、色々と準備が必要なのです。


 くどいようですが、もう一度確認します。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 それでは、約束事を並べていきましょう。


 一、犯人は登場人物の中にいる


「そんなの当たり前だろ!!」と突っ込みたい方もいらっしゃるかもしれませんが、登場していない人物が犯人となってしまう推理小説は、確かに存在するのです。しかし、本小説では、決してそのような手は使いません。

 さらにいえば、この犯人当て小説の問題編には、三人の人物しか登場しません。その三人の中に、犯人がいます。


 二、筆者、読者、語り手は犯人ではない


『筆者』『読者』『語り手』は犯人ではありません。

 これまた「なにゆうてんねん」と突っ込みたい方もいらっしゃるかもしれませんが、筆者や読者や語り手が犯人となってしまう推理小説は間々あります。しかしこれは犯人当て小説。そんな犯人は使いません。


 三、求めるのは犯人の名前のみ


 通常、犯人当て小説では、犯人の名前の他に、その人が犯人だといえる確かな「理由」を解答できなければ、正解とはみなされません。


 推理作家、アリスガワアリス先生の言葉に「犯人の名前だけ当てられても痛くも痒くもない」という名言がありますが、これは犯人当て小説の基本的な考え方を一言で表しているのです。


 ですが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


  それ以外は求めません。犯人の犯行内容は勿論、なぜその人が犯人といえるのか、その理由も必要としません。

  もう一度繰り返します。読者に問うのは犯人の名前。それのみです。



 四、ねたばれを見聞きしてはならない


 当たり前ですが、犯人当て小説である以上、事前にねたばれを見たり聞いたりしてはいけません。ねたばれを聞いたとき、犯人を解答する権利はなくなります。友人にねたばれされても駄目です。この小説を既に読んだ友人が近くにいるのなら、気を付けましょう。


 五、解答編を先に見てはいけない


 これも当たり前ですが、解答編を少しでも見たら、その時点で解(回)答権はなくなります。解答編は問題編の次の章ですので、順番通り読んでください。解答編を少し読んでそれを手掛かりに犯人を絞り込む・・・そういった卑怯な行為は許されないのです。これは、全ての推理小説に共通する約束と言ってかまわないでしょう。


 六、超常現象は使わない


 通常の推理小説ほぼ全てに共通する約束事。例えば密室を壁抜けの術で突破したとか、瞬間移動装置で現場から一瞬で移動したとか、現実に存在しない道具、手段は、一切使いません。


 七、特殊な道具は使用しない


 これは六と似ていますが、ちょっと違います。

 現実に存在する道具、手段でも、特殊なものは使用しません。例えば暗号解読のために波動方程式が必要だとか、犯人の行動はある文学者の生涯に基づいているとか、そういった、一部の人にしか分からない要素は用いません。全て、常識で考えれば解けるようになっています。


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