まず常識とは
僕は十歳の時には武術も魔法も相当に出来た。
その為、村で僕は天才とされた。
そんな時に只の興味本意で、友三人を殴った。
それは村中で大問題になり、僕は謹慎をくらった。天才という評価が暴君というレッテルに変わった時だった。
その時の僕はみんなに言った、
「なぜ、人を殴ってはならない?」
騒然とした中から聞こえてきたのは
「常識だからに決まってるだろ!」そんな言葉だった。
その声が僕には度し難いものだった。
常識とはなんだ?
皆々が言う
「そんなものは常識だ。」
「常識の範囲内だろ。」
ああ、うざい
再度問おう。
常識とはなんだ?
その意味を辞書で調べたことがある。
紙切れには一般の人が周知している、知識。
と、あった。
はて?一般の人が周知している事?
そんなものがこの世に存在するだろうか?
あり得ないのだ。考えてもみろ、一般の方々全員が知っている事象だぞ。
この世には百の国と千の文化が存在するんだ。そんなものあるはずがないのだ。
笑えない。
それではなんだ?
常識というものを誰かが本にまとめたりしたのか?
そんなことをした暇人は歴史上存在しない。
それではなんだ?
常識を説いた仙人がいたのか?
それで善人と仰がれた者はいないだろう。
ならば、もう一度問おう
常識とはなんだ?
常識とは皆が心に秘めている。
常識とは、原則的に存在しない。
常識を知る、書物はない。
常識を語る御仁もいない。
それが常識というのなら、常識は、どこまでも永遠に存在し、どこまでも永遠に見ることも聞くことも出来ない、透明で無形でそれでも確かにあって、人間が縛られ続けなくてはならないもの。
ああ、アホ臭い。
ならば、調べよう、納得がいくまで。
さあ、常識を知るためだけの旅を始めよう。
一話目のため短いです。