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★▲■共通シナリオ 崩れる日常、ハラヘタポテチあらわる・伝家の宝刀=居候・例え

日曜の夜。パリパリと、私はジャガイモを油でカラッと揚げたアレを食べる。

ディエットコークを飲んだから平気、たぶん。


少女漫画雑誌をめくる。今読んでいるページは主人公が王子に求婚されるベタなストーリー。


主人公は私と同じでなんの取り柄もない普通の子。


「いいなあ……」

そういうのとは無縁の人生に、ため息をつく。

雑誌を閉じて、歯を磨いて寝よう。



なんだか寝苦しい。アレの食べすぎだろうか。

明日は学校、なにがなんでも眠るんだ私。


〔もうすぐ会えるよ……〕


――誰かが囁いた。

視界は朧気で、顔がよく見えない。




「なんだったんだろう……」



次の日になり、私は学校へ向かう。



門の前でチェックしているのは担任教師の毘沙田先生だ。

若くて美形、眼鏡が知的ということで女生徒に人気がある。



「おはよう」

「おはようございまーす」

私は校内へ入る。後ろから生徒をしかる声が聞こえた。


「お前はいつも……」

「これは地毛っスよ~」


褐色の肌にピンクの髪で派手な格好の加賀先輩。

彼は校則違反で毎回教師に止められる。

チャラチャラしているけど一応水泳部のエースらしい。

髪はともかく肌は元からカレーの国の人っぽい。

夏休みが終わり、バッチリ日焼けしたのだろう。



見ていても仕方ない。早く教室にいこう。



「おはよー」

「おはよ」

クラスメイトと軽い挨拶をする。


「ねえ、今日なにかあった?」


なんかいつもよりザワザワしているような気がして、たずねてみる。


「今日は転校生が来るんだって~」

「へー転校生が……」


なるほど、ベタな漫画にありがちなアレね。


「入れ」

毘沙〈ひしゃ〉先生が言う。

ガラリとスライドして入ってきた。


白銀〈シルバーゴールド〉の髪をした格好良い男子だ。


「名井原ラルドです」

「彼はハーフらしい。皆仲良くするように……席は」


――――私の隣が空いている。なんてベタな。


「よろしくね、麻希〈あさき〉」


どうして私の名前知ってるんだろ。


……なんだか彼とどこかで会った気がするような。

そんなわけないか。

――――――――――



学校も終わり、帰宅部の私は帰ろうとしていた。


「一緒に帰らない?」


名井原君が誘ってきた。

約束している相手もいないし、彼と帰ることにした。



「えっと……名井原くんはどうして転校生してきたの?」


特に話すこともないけど、何か聞かないと間がもたない。

転校生にありがちな質問をしてみた。


「君に会うため」

「あはは……面白いね~冗談―――」


背後から誰かに見られている視線を感じた。


何なんだろう。すごく背筋がゾクゾクして、普通じゃないのがわかる。


「……麻希、走って」

「え?」


名井原君もなにかを察したようで、私たちはその場から全力で走った。



「つ……つかれた……」



もう歩けないし立てない。


―――ここはどこだろう。

それに人気のない場所だ。



「……そろそろ姿を見せたら?」


名井原君が路地の方に語りかける。


そこからカツリカツリと靴音を鳴らしながら、黒コートの男性が出てきた。

長くウェーブした赤髪、黒のハットで顔が隠れている。


男性は腕を組みながらその場に立ち、名井原君と睨みあっている。


もしかしなくても知り合いなんだろう。

こんな怪しい人とどう知り合いなんだろう。



「久しいな……」

「そうだね」


両者はそれ以上は語らず暫くの間黙った。



「そこの娘を、こちらに渡して貰おうか」


――――どうして私?


「嫌だ。といったら?」


名井原君は私を背にした。



「―――――殺すまで!」



男は帽子を上に投げる。


私が上を向いていると、見知らぬ三人が男の後ろに立っていた。


「ハクサイジャー」

「ショウユグラス」

「ヨーグルトソース」

「我等はアザーッス様に使える三神士〈さんしんし〉だ!!」


一体なにがどうなっつ?


「覚悟しろ!!」


―――三人が飛びかかってくる。


私は目を閉じた。しばらくしてもなにもぶつかっていない。


目を開くと。見知らぬ男が私のことをかばっていた。


三人は地に倒れている。



「あなたはいったい……?」


「忘れるなんて酷いなあ……

僕はハラヘタポテチ。神だよ」


_______



『というか名井原くんは!?』

『いるよ?』

『どこに?』

『目の前に。』


転校生‘名井原ラルド’の正体は《ハラヘルタポテチス》という邪神だった。


そんな彼が敵対してるというのは《アザッス》という邪神

邪神が所属する組織〈アズロー〉の末端リーダー的存在で、この世界を征服しようとたくらんでいるらしい。


「いやー惑星アテラスのコレは最高だねー」


なんやかんやで彼は家に居候することになった。

それにしても『忘れるなんてひどい』というあの発言はなんだったんだろう。

聞いても答えてくれないし。


「神様がこの世界を作ったのに神様の住む世界ではポッテチがないの?」


ポッテチなんて他の惑星マージルクスやマキュスでも食べられるポピュラーなお菓子なんだけど。


「それがね、アザッスをおいかけてこの前レギアス星に行ったんだけど、ポッテチはペルングリスみたいな整形タイプが主流で……」

「へー」


なんか人のフリしていたときと性格変わってるような気がする。

いや、こっちが素なのか。


――――――――――



ポッテチが切れたのでポテチスと一緒にビニコンへ買いにきた。


カゴにシルバーラベルコークとポッテチを入れる。


「あ毘沙先生」

やばいナチュラルにポテチスと一緒に隣を歩いていたけど彼氏とか勘繰られたらどうしよう。


「先生にボクとの関係を聞かれないか気にしてる?

ただの人間には見えてないから大丈夫だよ~」

ポテチスは私の様子から察したようだ。とりあえず見えていないならよかった。

……え、というか私も普通の人間じゃない?



「痩せすぎるのも良くはないが、あまり食べすぎるなよ。コークなんて気休めだからな」


毘沙先生は買い物を済ませて帰った。


……ダイエットより夜道の心配をしてくれてもいいじゃん。



「やっほー」

「加賀先輩……?」


知り合いじゃないのに声をかけてくれるなんて、びっくりした。

先輩はミネラルウォルターを十本カゴに入れた。

あんたどんだけウォルター飲むのよ。と言いたい。



「なんか話すこと……あーそういえばさ、惑星レギアスで兄妹姉弟〈ケイマイシテイ〉が結婚〈エンゲージ〉できるようになったらしいんだけど」

「へーそうなんですかでも私、兄弟〈ケイテイ〉いないから……」

「オレも姉妹〈シイマイ〉いないからなあ……」


やはりほぼ初対面の相手と話すことはなにもない。

しばらく沈黙した。どうしよう。

この場じゃ話し掛けられないポテチスのことをじっと見ているわけにもいかないしなあ。



「あ、ところで加賀先輩はウォルター好きなんですか?」

「無名士〈ムナシ〉でいいよ」

「はあ……」

「ウォルターは別に好きとか嫌いじゃなくてさ、まあ必要なやつ、みたいな?」

「なるほど」


まとめ買いにしてもリットルゥで10本は多くない?

どんだけ力持ちなんだ先輩は。


「じゃオレはカイケイ済ませて帰るから」

「あ、はい」


私はポッテチだけ買うのもアレなのでプディングゥやパァンなどを見る。


やはりナッツ類に引き寄せられた。


アンヴォルド、カシュウスなどついでにルロイッカを適当にカゴに入れてレッジにいく。


全惑星共通貨のコエマドゲルポを払ってビニコンから帰宅した。



「あんまり夜に食べるとメルタヴォルよ?」


メルタヴォルの由来はメルタヴォル大統領からきている。

ただ腹が肥えてるやくたたずなのがアテラス星人の暗黙の了解である。


「おやすみ」

「まてまてまてー!あんたは空き部屋で寝なよ!!」


なにナチュラルに私の部屋、しかも大の字でベッドォを占領してるわけ?

いくら神とはいえど、私の安眠妨害は断じて許さん!!


――――



「気になっていたんだけど、学校には通うの?」


一緒に登校なんてしたら気まずいし、クラスメイトに冷やかされるだろうなあ。


「いいや、変化して会いに来たのは、また君を驚かせるためだけだから。必要ないと思うよ」


私と彼が初めて出会ったのは学校だと思うんだけど。以前どこかであったとでも言いたげだ。


私が登校していると、目の前に毘沙先生がいた。


「おはようございます」

「ああ、遅刻せず来られるとは偉いな」

先生が誉めてくれた。


「そんな……当たり前のことですよ」

家族以外にほめられることなんて滅多にないから照れてしまう。


「人間はその当たり前ができないやつが多いからな」

「おはよう」


「あ、加賀先輩」

今日も派手だなあ。


「またお前はそれか……もういい」

先生はあきれ、諦めた。


「いやー誰かと登校なんて初めてだね」

どういうわけか三人で一緒に行くことになった。


「そうなんですか?意外です先輩友達多そうなんですけど」

「まさか、美形すぎて周りにゃ高嶺の花だよ。君も一人だけど、友達いないの?」


「友達は一応いますけど近くにいないんです」

「へー。で、ビシャ先生は昔は友達いたんですかー?」


こういったらあれだが、先生はすっごく、友人と呼べる人はいなそうなタイプだ。

冗談通じなそうなところとかを見ると、近寄りがたいと周りから一目置かれたりしそうな印象がある。



学校につき、教室へ入る。


「みーたーよ~!」

「いいなあ~」

「なにが?」


「毘沙先生や加賀先輩を両手に花で登校してたじゃーん?」

ああ、それか。男でも花になるんだ。


「後ろにイケメン背後霊もついてるし?」

ハラヘルタポテチスがポーズを決めながら言った。


「いっておくけどたまたまだよ。登校時間予知したとか調べたとかしてないから」

「いや、それはわかるよ」

「そこまでディープな発想してなかった」

二人は手をふって苦笑いした。


「そうそう、保健室に新しい先生が来てるんだって~」

「へー誰だろうね。見にいってみようよ」

私も二人について、保健室へ向かった。


「……具合でも?」


長い髪で白衣を着ている。煙管を吸ったミステリアスな雰囲気の男性だ。


「いっいえ!!」

「新しい人が来たって聞いて……」


「男より女の先生がよかった……?」

「めっそうも」

「ないです!」


二人は脱兎の如く去った。


名札に【魅那櫛<みなくし>入人<いると>】と書いてある。


「カウンセラーも予ているから、悩み事があるなら遠慮なく」

「はい。失礼しました」


「……」



「どうも嫌な感じがするね~」

「ミナクシ先生が敵?」

「いや、敵というわけじゃなく。犬猿、水油、竜虎みたいな感じで、阿吽とはかけ離れてるような」

「馬が合わない的な?」

「それだ!」

「あれ、反りが合わないだったっけ?」


私は教室へ戻り授業を受けた。


放課後になり、疑問を抱く。


(なんで誰も名井原ラルドが登校していないことを不思議に思わないの?)

「それは、忘れるようにしたからさ」


(へーそうなんだ)


●衝撃の事実!ガンガガガーン登場


「なにこれクソ暑い。今8月じゃないよね……なんでこの星非地球<テラネス>や真地球<レギアス>や地球<ちきゅう>とは大違いに暑いんだけど」


ハラヘルタポチルスがだれながら飛んでいる。



今日は夏の日。月<ミューン>日<サニュ>問わずサニュ星が虚地球<アテラス>星に近づいてくると暑いのだ。


「神でも暑さ感じるの?」

「いや、雰囲気が」


「きゃーかっこいいい!」

女子たちが水泳部の男子をフェンスから見物している。


どうせお目当ては―――――


「加賀先輩~!」

ああ、やっぱりだった。


先輩は女子達に目もくれず。ストイックに泳いでいるため、そのギャップがいいとヒソヒソ話している。



「ちょっと飛び込みやってくるよ」

「え!?」

ハラヘルタポチルスが飛び込み台にあがる。


「ポテェトォ」

「ぷくくっ!」

(笑わせないでよ!)


「おーい」

(―――先輩が私に手を降っている?

後ろに人がいるとか……)


背後に人はおらずだ。でもこの状況、漫画で主人公が嫉妬されるパターンだ。


さりげなく位置をズレて、すみやかにプール付近から撤退し、即座に帰宅する。

------



「……あーあぶなかった」

もしかしたら私じゃないかもしれないけど、もしも万が一私なら、名前は呼ばれなかったから、皆きっと自分のことだと思って注意がそれて、私のことは気にしないよね。



「あれ……(なんかおかしい?)」

ハラヘルタポチルスがいないのに気がつく。

さっきプールに置いてきてしまったんだ。


――――気配がする。



後ろから、この前感じた禍々しい気が迫ってきている。


私は振り返らないで、まっすぐ走る。このまま家に帰ると、家がバレてしまうので気配が完全に消えるまで、この辺りを全力疾走する。



「くくく……」

だが、それも虚しく前と後ろから挟まれてしまった。


「この前はよくもやってくれたな」

アザースの三部下<さんばか>の一人である金髪の男がひきつった顔でにっこり。


「いやいや私じゃない、私じゃないよ!」

彼等を倒したのはハラヘルタポチルスである。


「仕事なんでぇ、すいません」

チャラチャラとした茶髪の男が、頭の後ろに手をやりながら棒状の武器、<マホウショウジョノステッキ>を取り出した。


「……はあ。君たちはなんと愚かなのでしょう。脅しながらではなく、油断させて後ろからザックリとすべきですよ」

銀髪の少年が、モノクルをいじりながら言った。


「なら最初からそう言えよ!」

「うるさい。黙りなさい野蛮神<やばんしん>」

金髪男と銀髪少年が喧嘩している間に逃げよう。


「……オレの事、忘れないでよ」

茶髪男が首にステッキを当てている。斬れないけど、装飾が細かくて、殴打されたら痛そうだ。



「逃げんなよ」

「安心してください。べつに殺したりはしませんから、僕達のアジトへ来てもらいます」

――――これは最高にまずい状況、彼等に連れていかれてしまう。


(お願い誰か―――――)


「おい」

心の中で助けを求めると聞き覚えのある声が。


「オマエら、なにしてんの?」

「加賀先輩!」


(どうして、部活は―――)


彼は人間、いくらこいつらが馬鹿っぽい集団でも邪神相手に敵うわけがない。


「……誰だテメー雑魚い人間は引っ込んでな!」


「残念だったな―――」


加賀先輩がペットボトルを取り出す。そして、キャップをひねり開ける。


「オレ、人間じゃないんだよ!!」


先輩が指を降ると、ボトルから飛び出た水が、自在に宙を舞う。


「くっ……水使いか!?」

「邪神にそんな奴いたか……貴様、名を名乗れ!!」


みるみるうちに先輩の姿は長い髪、制服とは異なるものに変わる。

そして空を飛ぶ鰐の上に飛び乗った。



「ラガーン・ガー……インダの水神」


●新たな神きたる


加賀先輩が神だったなんて―――――


ラガーンは龍のようにうごめく水を、揺らめかせる。彼等はそれを恐れ、後退を始めた。


「水を使えるのは、貴様だけではないぞ」


四人は力を合わせはじめた。


「我らが主アズロー様の力をおもい知れ!」


闇と光、邪神と聖神、異なる存在の水の力がせめぎあう。


「やれやれ……」


長い黒髪の勇ましい男が、剣で敵の水を切り裂いた。


「―――なに!?」


思いがけない新手の登場に、彼等は動揺した。


「貴様! 何者だ!?」

ハクサーイがとう。男は眉をひそめる。


「見てわからないか……俺は神。戦いを司りし、クンヴェーラだ」


「あの戦神だと!?」

「まさか、他にも神がこの星に潜んでいたとは……誤算でした。アザース様、ここはひきましょう」


ヨーグルトソースが提案すると、アザースはニヤリと口の端をあげる。


「人の娘よ、いずれまた会おうぞ……」


―――彼等は姿を消した。ほんの一時の幻かのように。

気がつけば、クンヴェーラもいなくなっている。お礼も言えなかった。


「それにしても、彼は一体……?」


先輩……いや、ラガーンが立ち去ろうとする。


「……そろそろ戻らないと」

歩きながら姿を人に変えた。


「あの!」

「?」

「ありがとうございました先輩!」

「なんのことかなー?」


――ああ、今さらとぼけるんだ。この姿のときと、分けてるのかな。


「あの、誰にも言いませんから……記憶とか存在とか消さないでください」

秘密を知ったら大体、記憶消去とかよくあるパターンっていうか、あたりまえだし?


「え? オレにそんな力ないから。そんな怯えなくても」

「そうなんですか!?」


私は彼と学園へハラヘタポテチスを回収にいく。

―――――――――



「ああ……ひどいよ……激おこジャガイモスティックだよ。ポテイトゥチップスをくれたら許すけど」


「はいはい……」


私はハラヘタポテチスにさっきの出来事を話す。


「ラガーンにクンヴェーラか、インダの世界に住まう神だね。

実はアテラスで語られる神、財宝神ビサーモンテーンとクンヴェーラは同一なんだよ。知ってた?」

「そうなんだ!?」

「ついでにラガーンの乗り物のワニの神クベーラと名前が似ていて間違われやすい」

「たしかに違いがわかんない」



「ポテチランキングやってるよ!」

「はいはい」

「やっぱりキャルビーのコンツメパンチだよね」


とハラヘタは言うが―――


「は?カイケヤのノリシオでしょ」


つい真顔でケンカ腰になってしまった。食べ物の好みは千差万別、相容れない。


「カンガガガーン。嘘だろ……オレのチ口ルが」



「かぶきさげが……」



「はてさて、マレービスケットは入るのでしょうか」



「明日は学校だなあ……」


先輩に会うのなんか気まずい―――――――



「……なんだろう」


学校にいくと下駄箱に手紙が入っていた。


「……それラブレタァとかいうやつじゃない?」


ハラヘルタがニヤニヤしている。肘をコノコノ~してくるのを避け、無視して手紙を開く。


「話があるので体育館裏にきてください。体育館裏なんて果たし状にきまってる!!」


ハラヘルタは読み上げて青冷め、あわてはじめた。


「いつの時代それ、ベタすぎる」

「なにがだ?」


いきなり後から話しかけられた。


「毘沙先生!」

「なんだそれは」


先生に持っている手紙を聞かれたのでみせた。


「これはラブレタァか果たし状なのか考えていまして」

「それはどう見ても時代遅れの恋文だが、逆に果たし状だとしてお前は誰かから恨みを買ったのか?」


恨みを買う予定はないが、もしかするとあの3バカだったりするのかな。


「まあどちらでもいいが、差出人がないなら一人でいくのはやめておくべきだ。誰か力のある人間を近くで待機させておけ」

「はい。ありがとうございます」


まあそばに力ある奴といってもハラヘルタがいれば大丈夫だろうけど。



「うーん……」


私は誰に頼むか頭を抱えながら、校内をフラフラ歩いて考える。


「もうすぐ下校時間です」

「あ、ミナクシ先生!」


もうこの際先生に頼むしかない。というわけで事情を説明してついてきてもらえることになった。


「あのー」


手紙の差し出し人らしき制服の男子が立っていた。


「ふ……よく一人でのこのこ現れたな!」


振り返ったのは見覚えのある三人組の一人だった。


「あんたは……!」


しかし名前が思い出せない。ヨーグルトソースでもショウユグラスでもない誰だろう。


「お前をボスに差し出せばこのハクサーイ様はしたっぱからエリートに格上げだぜ!」


◆大変だどうしよう?

〔叫ぶ!〕+★

〔一人ならいけるかも!!〕+▲

〔じっとする〕+■

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