ゆっくり過ごしたい
初投稿です
文章がめちゃくちゃですがさらっと流していただければ…
「はあ……」
「どうした、お嬢?」
私がため息をもらせば苦笑しながらもわざわざ
話しかけてくる私の従者アベルト
わたしが私ことイリス・アットフォードになって17年の月日が流れた
私はある日自分の中にこの世界ではないどこか別の記憶があることがわかったとき違和感を感じたのだ私は誰なんだと
最初は何を馬鹿なことを思っていたがアベルトに初めて会った時思い出してしまった
ここはゲームの世界であると
主人公が自分の運命の人を見つけるという内容の話で以前のわたしも某声優様に惹かれてやり始めたこのゲームは予想以上にハマってしまい全エンドをクリアしてしまう猛者っぷりである
そして、『イリス・アットフォード』は主人公の双子の妹で大体どのルートでも出てくるのだがイリスの従者であるアベルトには強く依存してしまっており2人の仲を引き裂こうと動きまくるのである
そして最後は必ず死んでしまうという徹底ぶりだ
そんなわけで自分の運命を変えようとした結果
なぜか、姉であるアリエッタはとってもわがままで傲慢な性格
私にいたっては従者アベルトに恋心を抱いていまったのである
「(なぜこうなった…)」
「また、アリエッタ様か?」
「直接的には周りの方々だけどね」
姉のアリエッタに邪険にされ始めた1年ほど前から姉を守るように周りにいる姉の婚約者を始め攻略キャラから身に覚えのない事を度々言われるようになった
やれ、アリエッタのドレスを破いただの取り巻きを使って脅しただの
第一に私にはドレスを破いて得することもないし苛烈な性格の持ち主のような友人はいない
だが、やってもいないことをさもお前がやったのだろうと決めつけて文句を言ってくる攻略キャラ達に私はだんだん疲れてしまったのだ
「…どこか誰も知り合いがいないところに行きたいな」
「…なあ、お嬢。いや、イリス」
ポツリと呟いた事を拾い上げたアベルトに顔を向ける
彼が私の名前を呼ぶ時は2人の時と真剣な話をする時だけ
アベルトが真剣な顔をしているからつられて私も真剣な顔をする
「どうしたの?」
「その、だな…」
アベルトが口を開きかけたその時バタンっ!と勢いよく扉が開き
「イリス!お前の婚約が決まったぞ!」
「えっ」と音にもならない声がこぼれる
突然のお父様の登場にも驚いたがそのあとの言葉だ
「婚約って…誰と…」
「誰ってそれはもちろん彼だよ」
視線の先には珍しく赤面した彼ーアベルトがいた
どういうことだとアベルトを見るとようやく我に返ったのか話してくれた
「もともと、この従者になったわけはイリスの婚約候補者の見きわけなんだ」
「俺達あの時出会ったのが最初じゃないんだ」とすべて話してくれた
いわく私が4歳でアベルトが7歳のとき初めて会ったらしく
その時お互いに気に入り結婚の約束までしてしまっていたらしい
それだけなら小さい時の微笑ましい口約束だったのだがそれがお互いの父親の耳に入ってしまいじゃあ2人をいつかくっつけようと色々準備をしていたのだそうだ
「そうだったの」
とかなんとか冷静に言っている私だが内心は大騒ぎだった
大好きなアベルトと婚約だなんて将来は結婚できると浮かれていた
爆弾を落としていったお父様もいつの間にか部屋から退出しておりこの部屋には私とアベルトしかいなかった
しかし、婚約というのはお互いがお互いのことを認めないといけないのではとアベルトの方を見る
赤面は収まったのかこちらをずっとみていたらしく私と目が合った
「イリス、さっきの言葉は本当か?」
「さっきのって、どれのこと…?」
「どこか遠くに行きたいってやつだよ」
たしかにどこか遠くにに行ってのんびり過ごしたい
肯定の意味で頷くとさっと目の前で膝をついたアベルトに手を取られる
突然手を握られ赤面した私は彼の名を呼んだ
「アベルト…?」
「イリス、俺と結婚してくれないか」
突然の言葉でさらに顔を赤くした私をアベルトは見つめてくる
「で、でも姉様や周りの方々にまた…」
何か言われるかもしれないと口をつぐむとそうじゃないといわれた
「お前はどうしたいんだ」
「私、は…」
ためらうように区切りでもアベルトの顔をまっすぐ見つめた
「アベルトと一緒に、生きていきたい…!」
小さく絞り出した言葉
それを拾ってくれたアベルトに抱きつく
お互いがお互いを離さないように抱きしめあい目が合うと私達は昔のように笑いあったのだ
結局私はゲームの自分の立場に徹することはなく学園を卒業後アベルトと共にいつか私が言っていたお互い以外に誰も知り合いがいない場所に来た
アベルトは自分の家の領地ため視察に来た程度の場所だと言っていたが多分ずっと前から準備をしていてくれてたのだろう
「ねえ、アベルト」
「なんだイリス」
呼べば振り返ってくれるアベルトにいつかのため息ではなく心からの笑顔を見せる
「ずっと、ずーっと大好き」
私の運命を変えてくれてありがとと言葉にせず好きと伝える
「俺もイリスの事を愛してる」
こうして、私は運命の人を探し出せたのだ