希望は既に・・・
同じ頃、一日宅において一日達が集まっていた。
主要メンバーが集まったのを確認すると一日が口を開く。
「急にすまないね。集まってもらって」
「何かあったんですか?」
一日の謝意に続けてシオンが集めた理由を聞く。
「ええ、実は少々厄介な事になったの」
「厄介な事?」
一日の説明に木の葉が口を挟む。
「彼等に奴等の存在を知られた」
「何ですって!?」
一日がそう告げるとその場にいた全員の顔が驚き歪む。
「知られたって・・・一体どういう経緯で!?」
命も動揺を隠せない。
「事の発端は開戦から間もない頃、アメリカに出現したアメーバよ。みんなも知っての通り、それ自体は撃退出来たけど、それを果たす直前にアメーバが一般市民を飲み込む姿が映像に記録されていたの」
「つまり、その映像が外部に流出した?」
一日が事の説明をし、それが切れたタイミングで命が聞く。
「ええ、ネットワーク上にアップロードされていた映像は既に手を回したけどそこに行き着く直前、アメリカ大統領がその映像を入手していたのよ。そしてそれが日本首相の手に渡り、更に精神病院を通して彼等にも伝えられたの
ついさっき、政権内部に入り込んでくれている仲間からの通信で分かった事よ」
淡々と説明する一日、だがその言葉には見通しの甘さに対する悔恨が浮かんでいた。
「日本首相・・・未だ完全に魔王軍に従う訳ではないって訳か」
「しかし・・・どうやってアメリカ大統領とコンタクトを・・・アメリカ大統領もあの交渉の場には居たはずなのに・・・」
言葉がぼやくと木の葉が疑問を続ける。
「どうやら独自に奇病の情報を集めていく過程で問題の映像を見つけ、それを国家の会談のやり取りの最中に何らかの形で渡したみたいなの。それが直接媒体を介してなのか、それともデータなのかは分からないけどね」
一日の説明は尚も続く。だがその一つ一つには彼女自身にしか分からない重みがあった。
「ですが、それではまだ彼らに伝わったとは言えないのでは?」
「そうですね。精神病院に伝わったのは分かりましたけど・・・」
暗が疑問を告げてシオンが質問すると一日は
「その映像が送られた病院につい先程彼らが出入りしたという情報があるの。しかも昨日実際に日本にそのアメーバが出現したわけだからね。そのアメーバに関する情報を提供したと考えてまず間違いないわ」
と返答する。
「いずれに知ろ断定はできませんが、奴らが既にアメーバについての情報を掴んでいるのであれば今後やりにくくなりますね・・・」
「ええ・・・奴等に後れを取らないためにも残る世界への攻撃準備を早く整えるべきか、それとも・・・」
命がそう告げると一日もそれを否定する事無く続けるのであった。




