見えてきた希望
「このアメーバが私達の希望になるかも知れない、そういう事なのでしょう」
聖は全てを悟った様な声で語る。
「希望?希望とは・・・」
希有が疑問を隠さない声で問いかける。
「そうか・・・彼等の魔術は負の感情を増幅させている。その負の感情が無くなってしまえば増幅させる事も出来なくなる。ならあの子達がこのアメーバと接触すれば・・・」
「憎しみから解放されて私達の元に戻ってくるかもしれないという事ですか?」
キーパーが続けると生花が気付きを得た声で言う。
「その通りです。しかしこのアメーバの目撃情報は未だこの動画以外無く、子の動画にしても現在は既に削除されている物をその直前に辛うじて入手した物です。それも国家のトップ同士が繋がる事で」
「日本首相もまだ完全に魔王の傀儡になった訳では無いという事ですね・・・」
医師がそう続けると望は少し笑顔を浮かべる。
「はい。何れにしてもこのアメーバと接触する機会を何としても得る事が重要でしょう」
「ええ、既に先手を討たれている可能性もある以上、機会を逃す訳には行きません」
「先手を討たれている?どういう事です?」
聖の言葉に医師は疑問を隠せない。
「昨日報道された政府の武装強化、もしそれがこのアメーバに対抗する為の処置なのだとしたら、既に日本国内にもアメーバが出現し、それを駆除された可能性があるという事です」
「となると、それが行われたのは韓国軍侵攻時、あの時の進路先にアメーバが出現した。偶然かそれとも意図した物かは不明ですが・・・」
聖の説明にロザリーも続ける。
「しかし、意図してアメーバを出現させる等可能なのですが?」
「アメーバの出現は予測出来ないと思いますが、韓国軍の侵攻は十分可能です。内部に入り込ませたスパイにそれを進言させればいいのですから」
希有が問いかけるとロザリーが回答する。
「つまり、聖さんが言う様に奴等の今回の動きはこのアメーバが現れるという想定外の事態が発生した為、そしてそれは紛れもなく奴等がこのアメーバを警戒しているという証」
希有は目に輝きを持っていう。
「奴等が憎しみを増幅させているというのは今初めて聞きましたがそれなら尚の事このアメーバが対処の鍵となる可能性があります。魔王軍への対処の為にも一刻も早いこのアメーバの鹵獲、及び解析が望ましいと思います」
「我々も可能な限り行動します。どうか宜しくお願いします」
医師達と聖達はお互いに希望を抱き合い、その先に進む為に歩き出す。
果たして最後に希望を掴むのは誰なのだろうか?




