一日への疑問 再び
その身振りに一瞬呆れた顔をする一日だったが、直ぐに元の顔に戻して話を続ける。
「この世界は確かフリーチェ様が一番最初に侵攻した世界、そしてその際に用いた行動は数による圧倒。そうでしたよね」
様付けではあるものの、どこかぞんざいな雰囲気を感じさせる声であった。
「ああ、今にして思えば敵の連携のなさに助けられた部分もあったのかもしれないな・・・」
「その点は否定出来ませんね・・・何しろ各地で綻びが出始めているのですから。今の所追加戦力の投入で奪還には至っていませんが・・・」
一日の指摘にフリーチェも耳が痛くなる。
「ですが、敵が寄せ集めに過ぎないのであればその指揮者を叩いてしまえば後は当初と同様、物量で圧倒出来るでしょう。
今回の場合、下手に奇策を打つよりも正攻法で真正面からぶつかった方が勝機が高まります」
「その根拠は?」
そう神消が問うと
「個々の敵の戦闘能力が高い以上、下手に奇策を打って戦力が分散するとかっこ撃破され総崩れになる危険性がある為です。それよりは初めから正面で仕掛けた方が勝機があるかと。
無論、こちらの戦力を十分に整えるのが大前提となりますが」
と間髪を入れずに返答する。
「分かった。で、戦力の準備にはどのくらいかかる?」
神消が再び問いかける。
「新たな兵士の教育も行う必要がありますので、軽く見積もっても一月程は欲しい所です。従来の兵士が退けられている以上、敵も戦い方は見抜いているでしょうから」
「こちらの弱点は御見通しと言う訳か・・・」
回帰がそう答えると
「これまでで最大の山場になりそうですね」
とヒリズも続ける。
「では、一日の言う戦力が整い次第侵攻する。それに異議はないか?」
その声に対し、誰も手を上げる物は居なかった。それを確認すると一日は
「では、私は戦力の調達にかかります」
と言い、部屋を後にする。
一日が部屋を出るのを見届けた後、少しの沈黙が流れる。
「一日・・・やはり彼女は何かが違う・・・」
その沈黙を破ったのはフリーチェだった。
「ええ・・・力が違うというだけでは無い、もっと根本的な所から何かが違う・・・そんな気がします」
「ここに居る全員がそれを感じているんだ。多分偶然じゃないと思う・・・と言うより・・・」
「ああ、俺達がこんな風に話している事自体が一日が来る前では考えられなかった」
残る三人も思い思い一日に対する内心を口に出す。
「覚えておるか?我らが初めてあった日の事を」
そうフリーチェが問いかけると
「ええ」
「はい」
「ああ」
「忘れる訳がありませんよ」
と三人は口を揃えて返答する。




