決意を新たに
「世界から戦う力が失われているって・・・どういう事なの!?」
普段の言葉からはとても想像出来ない荒い語気でと顔でロザリーが聞く。その様にレジスタンスメンバーは一瞬たじろぎ、言葉を詰まらせる。
「落ち着けロザリーさん。今ここで大声を出しても何にもならない」
落ち着いた口調で聖が諭すと「そうね・・・私らしくないわね・・・」とロザリーは落ち着きを取り戻す。
「今のこの世界の状況は表面的には皆さんが来た時より良く、内面的には悪くなっています」
ロザリーが落ち着いたのを確認したレジスタンスメンバーは話を再開する。
「表面的には良く、内面的には悪くなっている?」
「はい。奴等はこれまでの力による支配から方針を転換し、私達、特にレジスタンスに所属していない人に対して文明や技術を提供し始めているのです。その結果世界はこれまでの歴史に無い程の平定に包まれました。
しかし、その一方で技術の凄みとその提供による発展、平穏の結果、人々は奴等に反抗する意思を徐々に失っていったのです」
「技術を敵に回す恐れと手を出さなければ危害は加えない。その無言の暗示によるもので?」
「はい。今では最早レジスタンスメンバーさえ半数以上が投降し、残っている戦力は殆ど居ません。寧ろ発起しようとすれば私達が悪者にされる始末です」
世界の現状を聞かされたロザリーは手を震わせる。
「その状況・・・まるで同じですね」
そう呟く望に対し「何が同じなんですか?」と聞くチュアリ。
「今の日本の状況とよ。技術を提供して平定を与え、一方でその力を見せる事で支配する。その規模は違えど状況は同じ様に見えるのよ」
望はそう返答し、その回答にその場にいた誰もが首を縦に振って頷く。
「それじゃ・・・このままいけば・・・」
言いしれぬ恐れを抱いた声でロザリーが発言すると
「ああ、ロザリーの世界も・・・そして恐らくそれをやったのは・・・」
と聖が言い「霜月一日・・・」とキーパーが続ける。
「勿論、私達は最後まで抵抗するつもりです。可能な限りの協力は行いますからその魔術データをこちらに送ってくれませんか」
「・・・分かった」
ロザリーがデータを送信すると
「皆さん・・・御健闘を!!」といい、レジスタンスメンバーは通信を切る。
その後、一行の中には表面的には見えない、しかしその内面は大地震を遥かに超える震えが一日への怒りとして渦巻いていた。
「やはり・・・あの少女を放置しておく訳には行きません!!」
そう口火を切ったのは生花だった。
「ええ、必ず命君を助けだし、あの少女を倒しましょう!!」
ロザリーもそれに続く。この時一行の中にあったのは怒りだけでなく、それは魔術と機械の融合に賭けた微かな希望の灯火だったのかもしれない。




