否定ではなく肯定するべきもの
「一日!?」
一日の口は動いていない。だが神消には確かに一日の声が聞こえた。
「はい、今私は心なる盟友の力で時を止め、先輩にだけ話しかけています」
「他に聞かれたくない話って事か・・・だが、何が違うんだ?」
一日の叫びの意図が掴めない神消。そんな神消に一日は
「先輩が抱く苛立ちの原因、それは彼を倒して否定するものではなく、彼を倒す力を得る為に肯定するべきものです!!」
と告げる。
「イライラの原因を肯定する事で力を得られるだと?」
「はい、先輩と目の前の彼は元は同じ存在、同じ存在から分裂してしまった存在。欠けてしまった存在、なのです」
「一日、何を言っているんだ!!確かに奴と俺は元は同じだったが、今は・・」
一日の発言に対し、自身の疑問の答えにならないと言わんばかりの荒い声を上げる神消。
「俺のイライラの原因はこいつの・・・だから俺は・・・」
そう言いかけた神消の口が止まり、その頭の中で何かが回り始める。
「一日が来てから俺達は・・・」
それは一日が来てからの自分達の記憶であった。死の直前でもないのに記憶が走馬灯のように回り始め、それに戸惑う神消。
「これは・・・俺の・・・いや俺達の・・・そして受け入れる・・・そうか・・・!!だから俺達は・・・受け入れ、肯定する・・・そういう事か!!」
神消の表情がさっきとは一転する。その直後に時間が動き出し、テレサが神消に踵落としを食らわせようとするが神消しは横転してそれをかわす。
「まだ動けるのか!!」
「ああ、俺はまだ終わっちゃいねえ!!いや、寧ろ勝負はここからだ!!」
すぐさま立ち上がり身構える神消。
その気迫を感じ取ったのか、子供兵士も聖達に熾烈な攻撃を加えていく。
「くっ、これじゃテレサの援護も・・・それにこの子達を・・・」
「あら、真剣にぶつかる二人を邪魔するなんて無粋ですね。皆、こいつらを先輩の元に近づかせないで!!」
テレサの元へ向かおうとするチュアリ、だがそれを見た一日はお得意の挑発をかける。
対峙する神消とテレサ、先に動いたテレサは神消に向かって殴り掛かろうとするが神消は難なくそれをかわし、続く回し蹴りもかわして逆に顔面に蹴りを入れる。
「ぐあっ・・・」
口から唾液が飛び出し、地面をこすりながら蹴り飛ばされるテレサ。
「何だこの力・・・さっきまでとはまるで違う・・・」
思わず顔に動揺が出てしまい、言葉にも出してしまうテレサ。その隙を見逃さなかった神消はテレサに近づき、格闘技を次々に叩き込んでいく。




