神消出撃
その緊張が伝わったのか、その場に居る全員の口が堅くなっていく。
「なら、次は俺に行かせてくれ」
「神消?行かせてくれとは・・・」
「ここは俺の世界だ。だから俺はこの世界の事はここに居る誰よりも分かっている。だから次は俺に相道街を任せて欲しい」
神消が口火を切るとフリーチェは思わず聞き返すが神消はそれに更に言葉を続ける。その言葉には何か意思があった。
「相道街・・・この世界の街の中で最も大規模な街ですね。確かにここを落とせば我々は大きく優位に立つ事が出来ます」
「だが・・・そこは・・・」
「分かっています。開戦当初の戦力で押してでさえ制圧出来なかった。あの時の辛酸を無駄にしない為にも今度こそ!!」
一日の冷静な分析に対し少々懸念が混じった声で話すフリーチェ、だが神消の声はそれで覆る程弱い物では無かった。
「私の同志、そして私も同行します」
その強い意志を感じたのか、一日の声にも強気なトーンが混ざる。
「分かった。任せよう、だが、あえて言っておく。必ず帰ってきて欲しい。アメーバとの戦いの為にも」
フリーチェがそう語りかけると神消と一日は
「承知しています」
とだけ残し部屋を後にする。
その後を追って命達も退出した後、静かで人が少なくなった部屋で
「帰ってきて欲しい・・・ですか。やはり我々は・・・」
と呟くヒリズ。その呟きが聞こえていた回帰も
「ああ、何かが変わっている・・・だがそれは何だ?何故自覚出来ない・・・」
と続け、顔をしかめる。
「やはり一日が加わってからか・・・私自身、何故あの様な事を言ったのか分からない・・・少なくとも一日が加入する以前の私であれば決して言う事は無かったであろう言葉だ・・・」
言葉を告げたフリーチェ自身も不可思議としか言いようがない感覚を持っていた。更にその感覚に決して嫌気は感じない。それが又不可思議さを増幅させていた。
一方、部屋を出た一日は
「任せろと言っていましたが、何か策があるのですか?」
と神消に質問する。
「そんな物は無いさ。正面から行って屈服させる。この世界ではこれが常識だ!!」
と時と場合によっては呆れるであろう発言を同道と口にする神消、だが一日は呆れるどころか納得した表情を見せていた。
「そう言うと思っていましたよ。だから私も今回はそうさせて頂きます」
「そうか、なら肩を並べても構わないか?」
「断る理由なんてありません」
神消の行動を肯定する一日、だがその言葉にはどこか裏を持っているような雰囲気があった。神消は気付いていないが。
そして神消と一日は外に出ると兵力を編成し、ワープで相道街へと向かう。




