晒された事実、見えない真実
「一体どうしたんだ!?」
ロザリーの表情にただ事ではない気配を感じた聖、その問いかけにも少なからず動揺が見られる。
「生花さんが・・・」
「私が?私がどうかしたんですか?」
困惑に満ちた声で話すロザリー、名前が出た生花が問いかける。
「生花さんが先日の東京駅での交戦の際、命君をアメーバに飲み込ませようとしていた事を撮影した動画がメディアに流されたって・・・」
呆然とした声でただ生花の返答に辛うじて答える事しかできないロザリー、その言葉の意味するものとは・・・
「東京駅のアメーバ・・・ああっ!!」
「はい、あの光景が近くのビルに避難していた市民によって動画撮影され、それがメディアに提供されたんです・・・」
事情を理解し、ロザリーと同様の表情になる生花、ロザリーの返答も酷な物だが、それ以外にかけられる言葉が出てこなかったのも事実であった。
「そ、それじゃ今私達の世界では・・・」
「幸い、顔ははっきりとは映っていませんから直ぐに外に広まるという事ではなさそうですが、既に世間ではアメーバに子供を飲み込ませようとする残酷な大人、アメーバ側のスパイという報道、書き込み等が多くなされています。
もし万が一顔が特定され、且つ私達が元の世界に戻ったら・・・」
「最悪は焼き討ちもありえるか・・・くっ!!」
動揺の表情を浮かべ、狼狽する望、ロザリーは冷静に状況の説明に努めようとするがその声には明らかに動揺が混じり、聖も事の重大さに思わず息を詰まらせる。
「落ち着け!!確かにそれは重大な問題だが、今はこの世界を守る事が先決だろう!!それにアメーバの真実を解明出来ればその報道も沈静化出来る筈だ!!」
そう一括し、動揺する一行を抑えたのは普段ならこうしたことから最も縁遠いテレサであった。
「・・・そうね・・・動揺しすぎたわ・・・ごめんなさい」
「いや、謝罪の必要までは無い。動揺してしまうのも無理はないことだとは思う。だがそれでこの世界の事まで乱れちまったらそれこそ奴等の思う壺だからな!!」
内心ではらしくない行動をしたと思っていたテレサだがそれも又必要な事だとも考えていた。
「失礼だが、そのアメーバの真実とは?」
一部始終を見ていたムエが突如口を開く。
「あ、ああ、悪い、館z年に内輪だけになってたな・・・」
少々反省を混ぜた声色でテレサはアメーバについて分かっている事をムエに説明する。
「成る程・・・では、可能な限り俺達もそのアメーバ関連についても協力しよう。奴等に対抗しうる力にもなりうるのであれば尚更な」
テレサの説明を受けたムエは改めて協力を約束する。
一方その頃、魔王軍陣営においては・・・




