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【詩集】拙くも進もうとする試み

湧き出る言葉

作者: につき

15.5.2 推敲(微細)本文影響なし

打ち消す言葉で

消えてしまった

まとまる前の言葉の群れは


忘れ去られた後も

どこかこころの遠くの草原を

気儘に駆けている


失われることのない

着想から産み落とされた

柄もそれぞれの馬群よ


土煙を上げて疾駆するなら

わたしに向かって駆けて来い


その圧倒的な混沌の言葉で

わたしを振り回すほどに

突き抜けて行け


離散集合の中で

時にもっと他の誰かの

失われた言葉も混ざっている


太古に忘れ去られた

衝動の言葉が猛っている

まだ出会わない時代の

鋭く光り輝く断片が跳ね上がっている


目に見えなくとも感じ取れる

その足音 その息遣い

お前たちも思うのか この初夏の軽やかさを

はち切れんばかりの胸の中身を


消されはしない言葉の群れよ

生まれ変わることなしに そのままに

ぼうとした五月の風になって

梢を揺らせ

そして ひとに一陣の詩をもたらせ

季節への回帰を思い出させ

いのちだけを認める 湧き出る言葉を

身体の奥から出さしめよ




 *


 着想を得て、言葉がまとまりそうになると否定の言葉がよぎります。それでも消えてしまった言葉は、今もどこかで生きていると思いたいのです。自由であって、自在であって、過去や未来の知らない誰かの言葉との交流もあって、わたしのところへ戻って来た時には、大きな馬群となって力強くあって欲しいのです。いのちには様々あります。言葉のいのち、身体のいのち、こころのいのち、可能性のいのち……そんな思い浮かべるだけで、実感すればさらにこころが温かく、すがすがしくなるいのちたちを、第一に認める言葉が体の奥から湧いて来れば、そのままで素晴らしい詩になることだと思うのです。

お読み頂いてありがとうございます。

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