The girl who sings a song
少女は歌を歌います。それは、無機質な歌。
その歌声には誰もが魅せられる。The girl who sings a song 歌を歌う少女。だけど、歌を歌う以外に少女は言葉をはっすることはないのです。
world of ceremonyが開催される国は私の住んでいる国から、
ずっとずっと遠くにあった。
私は、汽車に乗りながら各駅に止まるたびに今日参加すると思われる、
人々が廊下を通り過ぎて行くのを本を読みながらチラチラと見ていた。
(全員、参加する人かな…、全員ではないか。)
そこに、--ガラッーっとドアを開ける音がする。
人?人というより、人形のような無機質な綺麗な少女が乗って来た。
少女は、金髪の髪の毛に自分とそっくりなお人形を抱いて首をかしげてこちらを見つめていた。
「そこ、空いてますよ」と私は目の前の席に少女を誘った。
少女は、何も言わずにっこり微笑んで目の前の席に座った。
抱えている人形を自分の膝の上で抱え直すと人形の目元に手を置き少女は目を閉じた。
潮の匂いがする海風が汽車の窓から拭きぬける。
私も読んでいる本を頬の上へと乗せると、目を閉じた。
☆
--歌が聞こえた。-
その歌声は、透明で綺麗な声だった。
まるで穢れをしらないかのように、繊細で美しい声だった。
私は、本を持ち上げると少女のほうを見つめた。
少女は、ただ目を閉じてかすかに口元が動いていた。
「綺麗な声ね。」私は、少女に話かけた。
少女は黙ったままだった。ただ、歌い続けていた。
その歌声と、共に汽車はレールの上を走った。
しばらくすると、汽車が終電を迎えた。
少女と私は出口へと歩き出す、そして汽車の階段を降りた。
☆
外は、にぎやかだった。
開催地、シルミナの国は人であふれかえっている。
あぁ、めんどくさい人をかきわけてworld of ceremonyが開催している
場所に歩くのなんてめんどくさいのだろう。
私は、しょうがなく歩き出す、いつの間にかあの少女は消えていた。
「おじょーさん乗って行くかい?」
見知らぬ、人が私に話しかけて来た。
紳士と言うか、まぁ、小奇麗なお兄さんで自分の乗ってる
馬車を止めてわざわざ話しかけて来たのだ。
「いいんですか?」
私は、そのおにいさんに顔を近づけ見上げるように言った。
「どうぞ」
とおにいさんに言われ私は遠慮をすることなく乗り込んだ。
馬車は、走り出した。
目の前に座るおにいさんは私の首筋にある1と彫ってある数字を見つめていた。
「なにか?」と思わず尋ねてしまった。
「君のその跡、生まれつきのもの?」
「うん、物心ついたころからあったけど。。」
おにいさんは、私の数字を見つめ深刻な表情をすると
「その首筋の数字は、なるべく隠したほうがいい」
わけがわからなかったが、
私は何も言わず「わかりました」と言い、その会話からほとんど無言で
馬車は走り続けた。
観覧ありがとうございました!
また、お暇だったら見に来てくださいです!!