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断片詩集

ビオトープ

作者: 鴉拠



苦し紛れに吐いた吐息 誰にでもなく叩き付けた拳

迷惑そうな大人たちの顔 面白くないな

灰色の街


死んでいく 消えていく

緑と青の鳥が この場所から

彼らはそっと 隠れるように

君の側で 生きているのだろう


傷付いたふりをして 迷い込んだふりをして

何でもない顔して 俺もそっちに行けたなら


世界を呪うような恋をした 綺麗な大空の下

そこは君だけのビオトープ 優しい大樹の影

イタズラが見つかったように 笑えば君は

困ったように はにかんだ






誰も知らない俺の言葉を 何も知らない君に捧げよう

清らかなあの鳥たちはもう ここにはいないよ

鈍色の世界


死んでいった 消えてしまった

空と海と森の木々が この世界から

誰もがずっと 目を背けていた

終焉が今 産声をあげたんだ  


世界を呪うような恋でした 淀んだ鉛の雲の下

ここは俺たちの埋まる墓場 無機質な鉄の箱

喉が裂けるまで泣いて 叫んでも君は

もうどこにも いないんだろ




酷く濁った空しか知らなかった


世界の果ては鉄錆た板で


そこから先なんて信じなかった


果ての亀裂から出るまでは


果ての先に君を見てから









金色の世界が俺を壊すまでは








過去を呪うような恋をした 淀み腐った空気の中

閉じた世界で緩やかに死ぬ そんな未来を選んだ先人達

綺麗な空気はもう俺たちに 優しくないなんて

信じたくない 事実だろ



世界を呪うような恋をした 綺麗な大空の下

そこは君だけのビオトープ 優しい大樹の影

イタズラが見つかったように 笑えば君は



泣きそうな顔で 微笑んだ




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