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吸血男爵の愛  作者: 優姫
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求婚

イギリスという国にある一つの町にはある噂があった。

『 北の墓地にある屋敷には近づくな。血を吸われるぞ 』

どこからきた噂なのかその話を知らない者はいなかった。だが知っているのは大人だけ、子どもはそのような噂を知らされてはいなかった。ただただ『 あそこには近づかないで。帰ってこられなくなる 』と言われるだけだった。

だが、大人達は心の奥底では『 血を吸われるなんて馬鹿げている 』という考えを持っている大人がいるのもまた本当。当然だ、血を吸う生き物などこの世に存在するはずがないのだから。


サンマリーノ街にある一番大きなお屋敷ファルサン公爵の屋敷の中は今、とても大変な状態になっていた。

「 どうして!?どうしてわたくしが父様より年が上の方の元へ嫁がなければならないの!?そんなのありえないわ! 」

黄金色の腰まである髪を結い上げ、階段を乱暴に上がっていく娘がいた。彼女の名はミルナ・イブ・ファルサン。ファルサン家の娘だ。

ミルナは階段の一番上まで上がり終わると深海のごとく美しい瞳で下を見下ろした。階段の一番下から娘を見上げているのは小太りした優しそうな男性だった。彼はミルナの父、アレクシス・イブ・ファルサンだ。

「 そのような事を言わないでおくれ。私はただお前を愛しているがゆえ王族の仲間入りをだなぁ… 」

「 王族の仲間入りなど望んではおりません!!もし、私を嫁がせたいのであればもっとお若く将来有望な方を探してきてくださいませ! 」

ミルナはそう言うと乱暴に歩きながら部屋へと入ってしまった。

そんな娘にアレクシスは溜息を一つ付き、食事をしていた広間へと戻っていった。

「 まったく…あの子には困ったものだ…幼い頃に母を亡くしたからと甘やかして育てすぎてしまったか…王族の仲間入りをすれば、それこそあの子は幸せに暮らせると思っただけなのだが… 」

そう呟きながら椅子にドカリと腰を下ろした。そして、食事の続きを始める。

そう、アレクシスは今日、娘のミルナに見合いの話を持ってきたのだ。相手は隣国の国王の弟君であらせるリファーレ・ルイ・二世様だ。ミルナが嫌がるのも無理はないだろう。リファーレの年齢は50代後半で、しかも子どもまでいるという。現在19歳のミルナにはかなり無理のある話だっただろう。

だが、仕方がなかった。公爵家の娘は19歳になるとどこぞの家の息子と見合いをさせ家から出さなければならないからだ。だが、ファルサン家のある町に爵位のある家はあまりなかったあるのは次男が婿養子として入った同じ公爵家だけだ。問題はもう一つあった、ファルサン家は由諸正しき公爵家なのだ。公爵家の娘が爵位が公爵より下の家に嫁ぐなど聞いた事がない。ファルサン家の子どもがミルナだけならアレクシスも王族の仲間入りにしようなど思わなかっただろう。しかし、ミルナには上に二人の兄がいた。二人はもう結婚をして一人は後を継ぎ次男は家を出ている。だからこそ、たった一人の娘であるミルナには結婚した後も変わらず幸せな生活を送ってほしかったのだ。

しかも、王族の仲間入りになれば金など使い放題だ。これ以上幸せな事はないだろう。

そう思い、アレクシスはウキウキ状態でミルナに見合いの事を話したのに、話を聞くなりミルナは顔を真っ赤にしさきほどの状態にいたる…という訳だった。


階段を上がった先にある両開きの扉の向こうでは。

「 はぁはぁ。父様の馬鹿ばか!王族の仲間入りなど望んではいないのに! 」

そう一人で怒鳴りながらソファに腰をおろしたミルナは侍女がすぐさま入れてくれたお茶を味わわずに一気に飲み干した。侍女は、カップが空になるとすぐさま新しいお茶を注ぐ。

何杯かお茶を飲むとミルナは侍女をさがらせた。

「 今日もお疲れね 」

声にミルナが足元を見ると、そこには真っ白な毛並みに蒼い瞳をした猫が絨毯の上で座ってこちらを見つめていた。

「 シャルロッテ 」

そう呼ぶと猫はゆっくりと立ち上がりソファの上に乗ってきてはミルナの膝の上で丸くなって目を閉じた。

「 だって。シャルロッテ、父様ったら私に国王の弟君と結婚しろなどと言うのよ? 」

シャルロッテの背をなでながらそう言うとまたもや先程の声が聞こえてきた。

「 良いじゃない。何が嫌なの?王家の仲間入りなのに。あなたが王家に行けば私も貴方のペットってことで今異常なベッドがもらえるわ 」

その声はどこからどう聞いても膝の上で眠る猫から聞こえてきた。

「 嫌よ。リファーレ様は御年おんとし56歳になられるのよ?私だって公爵家の娘。父様に決められた結婚が絶対なのは承知の上だけれども…父様より年が上の方の元へ嫁ぐなんて無理だわ!しかもリファーレ様には私よりお年が上の御子息が二人もいらっしゃるのよ?その方達だって反対してるに決まってるわ自分より年下の娘が母になるなんて 」

ミルナが怒り混じりにそう言うと膝の上のシャルロッテの毛が逆立ったのがわかった。猫のシャルロッテにもミルナの気持ちが通じたのだとミルナはホッとした。

シャルロッテは普通の猫ではなかった。聖獣と呼ばれる珍しい動物だ。本来なら魔術師などが飼っているはずの聖獣だが、1月前に中庭で見つけた時シャルロッテの毛並みはボロボロで周りには誰もいなかった。おそらく、飼っていたっ魔術師が亡くなってしまって身寄りがなかったのかシャルロッテは路頭にくれていたのだろう。だからこそミルナはそんなシャルロッテに手を差し伸べた。『私の家の子になる?』と。シャルロッテは『仕方ないわね…一緒にいてあげるわよ』と言いながらミルナの肩に乗ってきたのが二人の出会いだった。

「 私決めたわ…! 」

突然のミルナの言葉にシャルロッテは頭だけを上げミルナの顔を見つめた。

「 私今夜、家出するわ 」

突然のミルナの言葉にシャルロッテは一瞬目を見開いたがすぐに下の大きさに戻し落ち着いた声音でミルナに問いかけた。

「 …家出をしてどこへ行くのよ。二度とこの家には帰らないつもり?お父さん心配するんじゃないの? 」

そう問いかけられるとミルナは猫の方を向き質問に答えた。

「 行くところは…家出してから決めるわ!二度とではないわよ。父様には頭を冷やしていただくのよ。そうね、1ヶ月ほどは家に戻らないわ 」

「 私はどうすれば良いのよ?私の飼い主は貴方なんだから傍にいてくれなきゃ困るわ。それに貴方がいないとつまらないじゃない 」

そう言いながら片手で頭を書き始めたシャルロッテを見つめながらミルナは言った。

「 貴方が良いなら付いてきても良いわよ? 」

ミルナの言葉にシャルロッテは頭をかくのをやめないまま『わかったわ』と返事を返した。


その後すぐにミルナは街に出てシャルロッテを抱えて散歩を楽しんでいた。

「 あら、ミルナ様。今日もシャルロッテちゃんとお散歩ですか? 」

「 えぇ。この散歩が楽しくて楽しくて、今では一日の楽しみになっているくらいよ 」

路上を歩いきながら日傘を指していた貴婦人がミルナに話しかけてきたのでミルナは笑顔で答えた。

「 あ、ミルナお姉様だぁ~!シャルロッテちゃんも連れてるよ~!? 」

「 え!?どこどこぉ~!? 」

しばらく歩いていると、たまに散歩の時会ってはシャルロッテと遊んでくれる子ども達がミルナを見つけて駆け寄ってくる。

ミルナの傍まで来ると子ども達は瞳を輝かせながらミルナに言った。

「 ミルナお姉様!シャルロッテちゃんと遊んで良いですか? 」

そう聞かれると、ミルナは子どもたちにバレない程度にシャルロッテの方を向くと、シャルロッテもミルナを見ていたがすぐに子どもたちの方に向き直った。ミルナにはそれが了承の合図に見えていた。

「 えぇ。良いわよ。シャルロッテをよろしくね 」

そう言いながらシャルロッテを地面に下ろすと、そのまま走って行ってしまう猫を子ども達がミルナに手を振りながら追いかけてゆく。

「 ミルナお姉様ありがとう! 」

「 ありがとう~!! 」

そんな子どもたちとシャルロッテをミルナはただ手を振って見送った。

そのまままっすぐ行くと大きな噴水が真ん中にあり、その周りには鳥が人から餌をもらっている、公園があった。

ミルナは鳥を眺めるようにベンチに腰を下ろした。そしてそのまましばらく鳥や噴水を鑑賞していると。

「 あっれ?ミルナじゃん。久しぶりじゃね。こんな遠くまで来んの 」

声をかけてきたのは年齢23歳というシャヤールという青年だった。このシャヤールはミルナの屋敷の隣に住んでいて、小さい頃から良くミルナと遊んでくれていた幼馴染だ。

シャヤールはミルナにそう話しかけながら隣の席へと腰をおろした。

「 えぇ。今日は久しぶりに子どもたちと会って、シャルロッテと遊びたいと言うからあずけたの。だから一人でここまでゆっくり散歩することができたの 」

「 な~るほどね~。そういえば、さっきでかけてくおじさんの車に呼び止められてさ~宮殿に向かう最中だったみたいなんだけど…おじさんと喧嘩したんだって?おじさん困ってたぞ 」

その言葉を聞くとミルナはあの話を思い出しシャヤールを睨みつけた。睨まれたシャヤールは『ヒッ』と声を上げミルナの方とは逆側に少し退いた。

そんなシャヤールにミルナは心を落ち着かせるために溜息を一つ付くと、喧嘩の理由をシャヤールに話した。


「 け、結婚!? 」

ミルナの話を聞くとシャヤールはそう叫び声を上げベンチから勢い良く立ち上がった。

「 声が大きいわよ 」

そう言われるとシャヤールは周りをキョロキョロ見ながらベンチに座り直しできるだけ小さな声でミルナに話しかけた。

「 で?結婚…するのかよ…? 」

そう問われたミルナはシャヤールの顔は見ず答えた。

「 しないわよ 」

ミルナの返事を聞くなりシャヤールは安心しきったかのようにベンチの背もたれに背をあずけた。

「 そ、そうか。で?相手って誰だったんだ? 」

「 ……。隣国の陛下の弟君にあらせるリファーレ・ルイ・二世様よ 」

そう言われると、シャヤールはまたもや『えぇぇぇ!?』と叫び声をあげながら勢いよく立ち上がった。

「 シッ。うるさいって言ってるじゃない!いい加減にしてちょうだい! 」

ミルナからそう言われると、今度はベンチには座らず、前かがみになりミルナに向かって小声で問いかけた。

「 陛下の弟君っつったら確か50後半のお年だって聞いたぞ?それマジなのか? 」

「 だから喧嘩になったんじゃない 」

そう言われると、シャヤールはオドオドとしながらミルナの隣に腰かけ言った。

「 で、でもよ?断ったんだろ? 」

シャヤールにそう問いかけられると、ミルナは両腰に手を当て息を思いっきり吐き言った。

「 もちろんよ!じゃないと喧嘩にならないでしょ!? 」

ミルナのその言葉を聞くなりシャヤールはまた一息つくかのようにベンチの背に自分のそれをあずけた。

だが、次にくるミルナの言葉にシャヤールはまたアタフタすることになる。

「 でも…父様のことだわ。諦めていないと思うわ。だって『わしはお前の幸せになるならと思って王族の仲間入りさせようとした』とか仰ってたもの。いくら嫌々と言っても、私は公爵の娘親の決めた方の元へ嫁ぐのは私の役目…私が断っても意味ないわ… 」

「 で、でもよ!?おじさんはお前の幸せを考えての結婚だと思って王族に入れようとしてんだろ?でも、それを本人のお前が嫌がってんなら無理にはさせねぇだろ 」

ミルナにそう伝えてからシャヤールは体を前に出し、両膝に肘を付き口少し下の場所で手を組むとモジモジとミルナにある言葉を告げようとした。

「 き、きっと…さ。お前に…す、好きなやつができれば…おじさんも許してくれるよ…。だ、だから…さ?その…お…俺… 」

「 そうね!?父様とちゃんと向き直って話し合ってみるわ!?話を聞いてくれてありがとう!それじゃあ帰るわね! 」

ミルナはシャヤールの言葉を最後まで聞かず、思いっきり立ち上がるとその場を後にした。

「 え…!?あ…あぁ…じゃ…じゃぁ…な… 」

そんなミルナにシャヤールは表情を引きらせながら手を振って見送った。

公園から屋敷に帰る道中。足元で聞き覚えのある猫の泣き声が聞こえた。

「 にゃぁ~… 」

足元を見ると、そこにはシャルロッテがいた。

「 あら?シャルロッテおかえりなさい。楽しかった? 」

「 にゃぁ! 」

猫はミルナに抱えられると、ミルナの顔を見上げ一鳴きした。

遠くからはシャルロッテと遊んでくれていた子ども達が『シャルロッテちゃんまた今度遊ぼうねぇ~!』、『お姉ちゃんシャルロッテちゃんまた連れてきてね~!』と手を振っていた。

ミルナはそんな子ども達に片手で手をふった。

「 シャルロッテ、しばらく皆に会えなくなるけど平気?たくさん遊んできた? 」

腕の中で丸くなっているシャルロッテに道中そう問いかけると、腕の中の猫はミルナに向かって『にゃぁ~~』と元気良く鳴き返す。ミルナはそれを良い返事と思い『よかったわね』と返したのだった。

ミルナの屋敷は街を見渡すことのできる高台にあるので屋敷の前からいつも夕日が街を覆うところを見るのがミルナは大好きだった。

屋敷の前まで来るとミルナは立ち止まり、その場で後ろを振り返ると街を見渡した。

――――――この街を見渡すのも1月ほどできなくなるわね…――――――

ちょっと寂しい気持ちになったが、ミルナは即、頭を振り家出の理由を思い出した。

――――――いいえ!父様が悪いのだもの!私が罪悪感などを覚える必要はないわ!――――――

そう、心の中で呟きながら片腕にシャルロッテをのせ、もう片方の手を胸少し上まで上げると拳を作った。

そんなミルナを腕の中から見つめていたシャルロッテは前を見据えると、『はぁ~…』と溜息をついた。だが、ミルナがそれに気付く事はなかった。



はじめまして!こんにちは!ヽ(^0^)ノ


優姫と申します!


私…今まで色々なジャンルを書いてきましたが…吸血鬼ものは始めてであります!

血をすする場面とかうまく書けないかもしれませんが…これでもちゃんと色々な小説を読んで勉強をしてから挑んでおりますので!…許して…(Tーヾ)エグエグ...


今回!この作品を何故書こうかと思ったと言うと!!言うと!!!

アニメで一番好きなジャンルが吸血鬼系だからと…私の友達に同い年の友達で現在、留学でイギリスにいる人がいるのですが…その人がまぁ~…今まで芸能人でここまでかっこいい人は見たことがない!?ってぇ!くらいかっこいいんですわ!


「彼がもし吸血鬼なら優しく吸ってくれそう…」という妄想をしたのが始まりでして…イメージ的に彼を吸血鬼にしたててこの作品を書こう!?と決めて書き始めた所存であります!><


この作品を読んでくださった方々!1話のみならずぅぅぅ!!!2話3話も読んでってくださいよぉ!!><

最後はどうなるのかわからないように書いてゆきますので楽しめるかと思われまっする!


それでは皆様!最終話でまたお会いしましょう!



[。゜+バイバィ+゜。]>o(*´ω`)ノ))

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