第13話「大人の事情」
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やっ!俺、上木純太だよ!
焼野原 九乃助のマネージャーだぜ!
今まで、悪性の痔で入院してたので、フリーナインの事務所には居られなかったけど、今日はやっと、13話にして戻って来れたぜ!!
元気にしてるかな・・。レビンちゃん・・。
着やせしてて、胸もあって(省略させていただきます)
あー、元気にしてるかなー。
廃墟の事務所も懐かしいぜ・・。
ん、ドアに張り紙が・・。
『引越ししました』
えっ・・。
そのことを、純太は知らなかった。
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場所は、線路沿いの誰も住まなさそうな和式のアパートだった。
部屋は広かったが、ボロかった。
洗面所はあっても、風呂場がなかった。
しかも、電車がうるさい。
そこに、焼野原という苗字の部屋があった。
その部屋の隣に、レビンが住んでる部屋があった。
これは、現在のフリーナイン事務所であった。
黒服のレビンの追っ手を配慮して、いきなりだが住所を変えた。
もうひとつの理由は、エアコンが来ても部屋が暑かったからであるが・・。
ついでに、看板の住所の公表もしなくなった。
電話だけで受け付けるようになっていた。
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「早く言えや・・、焼野原ぁ・・。てめのせいで、入院したんだぞ・・、おい・・」
「おんめぇ、マネジャで年下の癖に偉そうなんゃ、こらぁ・・」
「いつまでも、ガンダム見てんじゃねぇぞ・・、焼野原ぁ・・」
「関係なやろ・・、われぇ・・」
と、必死でアパート見つけた純太が、鬼気迫る顔で九乃助に睨み付けていた。
というか、アパートの前でメンチの切り合いだった。
メンチの切り合いは、3時間かかった。
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純太は、レビンの部屋のドアを叩いた。
駆け足が聞こえて、ドアが開いた。
「はーい」
「お久しぶりー」
と、純太が挨拶をした。
レビンは、ポカーンとしていた。
「元気にしてたー」
と、純太が笑顔で話しかけてきた。
それでも、ポーカンとしていた。
「えっと・・、はい・・」
堅い笑顔で、レビンは応答した。
実は言うと、純太の存在を忘れていた。
だけど、あんた誰?というのが、相手に悪くて適当に答えた。
しかも、純太は自分より年下に見えたので、その馴れ馴れしい態度が鼻についた。
「じゃあ、お邪魔しますー!!」
「はぁ!」
勝手に、純太がレビンの部屋に入ってきた。
その行動は、純太の存在を忘れたレビンにとっては通報レベルの行動だった。
「ちょっと!!」
止めに入っても、純太はもう部屋の中。
しかも、部屋が引っ越したばかりだったので散らかっていた。
純太は、部屋に散らばっている下着を見て興奮していた。
「勝手に部屋に入るなんて・・、痴漢だ・・」
レビンは、携帯を握った。
・・5分後・・
ピーポー、ピーポー
パトカーの音が、アパートから聞こえた。
そして、アパートの周りには野次馬がいっぱいだった。
純太の手に手錠が掛かっていた。
警官の前で、九乃助とレビンが50回くらい頭を上げ下げしていた。
「すいませんでした!!すいませんでした!!」
「すいませんでした!!私の勘違いでした!!」
レビンに存在を忘れられ、痴漢と勘違いされ、通報され手錠をかけられた純太は、今にでも泣きそうだった。
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