プロローグ
ここは、都心近くのS県の某市内。
商店街が多く賑わっていたが、深夜には治安が悪くなることで有名であった。
深夜は、不良などの高校生やチンピラがうろついていて危険であった。
警察も投げやりになっていて、治安は安定しない。
市民は諦め半分で、夜、家の近くで喧嘩があっても無視して寝付くのであった。
そんな街の駅裏に、例の看板があった。
・・・・・・・・・・・・
そんな危険な夜7時のカラオケボックスにて、女子高生が5人いる一部屋に男が一人居た。
「えっと・・、あなたの彼氏さんからのメッセージで・・、別れてくれだそうです・・」
と、身長170センチ以下の茶髪の男が、いわゆるヤマンバ一人の女子高生に向かって言った。
バゴっ!!!
男は、鼻にいいパンチを彼女から貰った。
「うごぉ!」
思わず、鼻を押さえた。
手からは、鼻血が漏れてた。
「消えろ!!タコ!!」
と、女子高校生軍団から罵声を貰って、男は部屋から出された。
バタン!!
出されて、強くドアを閉められた。
「イタッ・・。依頼、終了・・」
と、鼻血の付いた手でズボンのポケットからメモ帳と赤ペンを取った。
メモ帳には、こう書かれていた。
『彼女との別れ話を告げる』
そう書かれた部分に、赤ペンで線を引いた。
赤ペンのインクの前に、鼻血が付いた。
・・・・・・・・・・・・・
夜8時あたりの駅裏は、サラリーマンたちが飲み屋で賑わっていた。
そこの一軒の飲み屋に鼻血を出した男が、カウンターでチュウハイを飲んでいた。
パッと見、未成年に見える彼だが、一応、23歳であった。
「最近、千円台の仕事しかこねぇな・・」
と、懐からタバコを出した。
それを見てマスターが、ライターを渡してきた。
「まぁ、いいじゃない。九ちゃんのおかげで、平和に店が建ってるもんだし」
と、さっきのつぶやきの返答をした。
ビィイイイーーー!!
携帯のバイブ音が鳴った。
男は、血の付いたポケットから携帯を出した。
「また、ビジネスの電話・・。勘定ツケといて・・」
と、言いながら持っていたタバコを灰皿に押し付けた。
「その台詞、54回目だぞ・・」
そう言われて、逃げるように席を立って店から出て行った。
「さよなら・・」
「待て、こらぁ!!!」
と、店主から叫ばれながら、男は去って行った。
些末な文章ですが、読んでいただきありがとうございます。