伝説のトラッカーたかし
荒れ果てた荒野にポツンと建つ魔王城の前。
トラック運転手タカシはトラックから降りて思い切り息を吸い込んだ。
タカシ「おい魔王!お前の城に荷物を届けに来たぜ!」
タカシのドデカイ声は魔王城内のあらゆる場所にある拡声器に流された。
しばらくして魔王が城から外に現れた。
魔王「ふん、無礼な人間よ!この城に入る者は、命を捨てる覚悟が必要だ!」
タカシ「何?!命を捨てる覚悟だと?それなら、まずはこのトラックの運転技術を見せてやる!」
タカシはトラックのエンジンをかけた。
魔王「何をするつもりだ?その車で私に挑むつもりか?」
タカシ「そうだ!お前の魔法なんか、トラックの馬力には敵わない!」
そう言うとタカシはトラックを発進させ、魔王に向かって突進していった。
魔王 「待て待て!」
タカシは待たない。
魔王「クッ、魔法で止めてやる!」
魔王は急いで魔法を唱えるが、タカシは急ブレーキをかけた。
タカシ「おっと、急ブレーキ!お前の魔法、効かねえな!」
魔王「何?そんなことが…!」
タカシ「トラック運転手は、急なカーブも得意なんだ!」
タカシはトラックを旋回させ、魔王の周りを回る。
魔王「くっ、逃げるな!私を侮辱するな!」
タカシ「侮辱?これが運転手の技術だ!さあ、荷物を受け取れ!」
バッ!
タカシはトラックの荷台から荷物を投げた。
魔王「それは…ピザ!?何故ピザがここに!?」
タカシ「お前の城に届けるピザだ!魔王も腹が減るだろ?」
魔王「う、うむ…そうだな。それなら…、戦うのはやめよう!」
タカシ「そうだ、仲良くピザを食べようぜ!」
魔王は困惑しながらもピザを受け取った。
魔王「人間の運転手、意外と面白い奴だな…」
タカシと魔王は笑いながらピザを食べた。
こうしてタカシと魔王は仲良くなり、人間と魔王による人魔不可侵条約が締結されたのであった。