アメリアの不安
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ロバートは心配しないで良いと言ってくれ抱きしめてくれた後レンブラント公爵家に対応に行った。
信じてはいるが相手は隣国の公爵令嬢、きっぱりと断れるのか不安だった。
相手には五年の学友という繋がりがある。
空白の十年にロバートがどんな生活を送ってどんな付き合いをしていたのか知らないのだから。
暗い顔をして部屋に引きこもっているとサラがお茶を持ってやって来てくれた。
「どうしたの?話してごらんなさい、楽になるわよ」
「ロバートに女性の影がちらついただけで自信がなくなったの」
「隣国の公爵令嬢ね、馬鹿な女性よね。医学の勉強をしていたくせに生かさないで男に縋るだけなんて生き方をして。そんな生き方をする女性に惹かれると思っているの?」
「知らなかった十年の間の女性関係が気になってしまって」
「あんなにアメリア一筋なのに可哀想よ、わからないの?」
「そうなのかな?」
「そうよ、メロメロじゃないの。わからせてもらってないの?」
「昨日やっとそういう関係になったけどまだ不安があるの。相手の地位が高いので断れなかったらどうしようとか思ったりしてしまうの」
「そんな事あるわけないじゃないの、アメリアには私達やロバート様と公爵家と国が味方なの、自分の価値がわかってないでしょう?」
「そんなに皆が味方になってくれているの?」
「どうして自信がないのか逆に分からないわ」
サラは両親を亡くして一人で頑張ってきたアメリアの孤独と不安が垣間見え、胸が潰れるような気がした。あの頃国に爵位を返し独立し薬屋をやっていこうとしていたアメリアを、商会全体で応援していた。ギルとサラもアメリアが困らないように手助けしてきたつもりだったけど、埋められない寂しさはあっただろう。
このか弱くて強い友達がこれからはロバート様に守ってもらえると思うとサラは嬉しかった。
「ロバート様を信じなさい、裏切るわけがないわ」
「ありがとう。サラとギルがいたから生きて来れた。これからはロバートもいるのに贅沢な愚痴を言ったわ」
「愚痴くらいいくらでも聞くけどロバート様にも聞いて貰いなさい。夫婦になるんだから」
「うん、ありがとう。そうする」
「それに今更過ぎた日の事をどうこうは出来ないのよ。仕方のないことだわ。だけど大丈夫だと思うわ。自分の目と目の前の商人の目を信じなさい」
「ありがとう。サラ大好き」
可愛い親友を抱きしめながらサラは不幸にしたら許さないと心の中で呟いていた。
「もうすぐウェディングドレスが出来上がるのよ、綺麗よ。出来上がったら公爵家で試着する?新居にする?」
「公爵家だと思う。お義兄様の脚を治したせいでとても感謝されているの。是非自分に仕切らせて欲しいと、お義姉様が張りきっていらっしゃるので向こうかな。結婚式は大げさじゃなく身内だけでいいの。王都の小さな教会で。サラとギルは勿論来てくれないと駄目よ」
「私達はアメリアの家族だもんね、別の意味でギルが泣きそうだけど」
「えっなんか言った?最後のほうが聞こえなかった」
「何でもないわ、披露パーティは人が多そうだけど良いの?」
「社交だから仕方がないわ」
「二人とも有名人だものね」
「公爵様がきちんとした方が良いと言われるから頑張るつもりよ、憂鬱だけど」
「うんと仲の良いところを見せつけて守って貰いなさいね。平民の私たちでは守りきれないところもカバーしてくださるわ」
「サラとギルに来て貰えるから文句はないわ。
それに護衛騎士のミズリーには侍女では会場まで入ってもらえないから、貴族令嬢として来て貰うことになっているの」
「きっと公爵家の護衛が全力で守ってくださるわ、安心しなさい」
ギルは可哀想だと思うけれどアメリアにはロバート様がいた方がより安全に暮らせるようになるだろうとサラは考えた。
ギルを社長にして自分が婿を取って跡継ぎを作ろうかと漠然と考えていた。そのうちいい相手が見つかってからだが。ギルが初恋を諦めてくれれば良いが無理かも知れない。アメリアに対する気持ちを知っているサラはため息を零した。
◇◇◇
公爵邸に始末を着ける為に行っていたロバートが疲れた顔で帰って来た。
アメリアの元に直ぐ顔を出し
「ただいま、アメリア。無事に済んだよ。隣国へ送り返した」
と言って抱きしめて来た。
「おかえりなさい、ご苦労さまでした」
ロバートの香りに包まれたアメリアはようやく安心することが出来た。
「心配させたけど今度こそもう大丈夫だから。僕は君だけのものだよ、前世からずっとだ。君しかいらない」
「こうして帰って来てくれて良かった。立場上断れなかったらどうしようと思って心配だったの」
「隣国で一度結婚していたんだ。それなのに僕に迫って来るなんて気持ちの悪い女だった。向こうの家にきちんと抗議を入れたから安心して」
「好きなの、離さないでね」
「ずっと一緒にいるよ。パーティーでアメリアを僕のものだと披露したほうが良いと思う。僕が君の夫であることを世間に知らしめたい。誰にも手出しされないように。仲の良いところを見せつけよう」
「私も覚悟を決めるわ。隠れる事ばかり考えて来たけれど表に出て戦うことも大切なのかも知れないわわね」
「そうだよ、アメリアはもう一人じゃない。僕がついてるよ」
「ありがとう、これからもよろしくね」
「勿論だ、全力で守ると誓うよ」
甘い瞳を見てやっと新しい未来に向けた闘志が湧いてきた。
守られてばかりではいられなくなりました。強い味方が出来たので戦う覚悟のアメリアになりました。
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