表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

[ 第3回小説家になろうラジオ大賞 ] の

我こそは召喚魔術師 クラスで一番の美少女を幼馴染みのよしみで助手として従えている!

作者: 塩谷 文庫歌

貴様等凡百な有象無象の烏合の衆とは根本的にたぶんなにかがチト違う。

……とか言ってるうちに、中学校二年生になってた。

世間の風当たりが若干肌寒く感じられる気もしてる。


だが、諦められない。


自宅の薄暗い屋根裏部屋で、幼馴染みの美少女とコッソリ続けてるのは、祖父より受け継いだ(古本に書いてあった)悪魔召喚の儀式だ。


獲得した能力(スキル)は、今のところ狸寝入りぐらい ――


「また失敗か! Exorcizo t e ぇ ?」


「ねぇ。まだするの?」



 俺の呪文詠唱を、助手をしている幼馴染みの美少女が遮った。

 少々クセっ毛、そこがカワイイ、クラスで一番と言われてる。


 だが「クラスで一番」は適切ではない、世界一が妥当だろう。

 控え目に言って人間離れしてる。

 屋根裏部屋で御一緒できる幸せ。



「ねぇって」


「なんだよ」


「も~!なぁんにも出てこないよ。こんなことやめようよ」


「そんなわけあるか。祖父から受け継いだ魔導書(グリモワール)に載ってた悪魔召喚の魔法陣と、意味わかんない呪文、この図のとおりにやったらボワンと煙とかが出てきたことはあった、それをなんも出てこないとか!じゃなにか?マナも手伝ってくれるって、ありゃ嘘か?嘘だったのか!」


「嘘じゃないよ。こうして付き合ってるじゃない」



 付 き 合 っ て る ?



 あぁ!


 悪魔召喚に付き合わされてるってことか。

 幼馴染みってだけで良くしてくれてる、裏を返せば周囲から完全にシカトされて孤立してるんだ。勝手に恥ずかしい誤解して、勘違いで恋の告白なんてした日にゃ精神的ダメージは被害甚大、明日から登校できなくなっちまうところだった。


 大きく深呼吸 ―― よ し !



「だな!」


「も~8年もやってる」


「……そんなになる?」



 だって。

 これぐらいしか接点が無いんだ。

 絶対に辞めてたまるか、()()だ!



「も~悪魔なんて出て来っこないよ」


「静かにしてくれ、集中できない!」





        ◆





「あ~寝落ちしてる」



 当時6歳だった彼の試した、奇妙奇天烈な召喚儀式。

 引っ繰り返って後頭部を強打、一部、記憶を失った。


 以来、こうして付き合っている。


 理由は単純明快、目覚めた彼に「なんとしても悪魔を召喚したいんだ、手伝ってくれ!」と熱心に頼まれたから。感情ばかり先走っていてサッパリ意味不明だったけど、おじいちゃんを生き返らせるとかナントカ。



蝋燭(ろうそく)が危ないなぁ。片付けちゃお」



 擦り切れ、かすれてしまった魔法陣もキチンと畳む。

 これは2人の大切なもの。



()()ってのは変かな?」



 1枚につき、()()()()召喚できる。

 私達の記念すべき魔法陣。


 だから、()()()()()()()()()()()



「あ~ぁ、変身疲れた、羽がゴッキゴキ、いくら召喚主っても頑張りすぎ。さて、労働条件の向上を求めて……毛布持ってくる前にチューしとこ♡」





        ◆





 よ~し 御 褒 美 ゲ ッ ト !


 あれから8年か ――


挿絵(By みてみん)


 俺は正真正銘の召喚魔術師。

 この娘より先に目覚めて覚醒した能力(スキル)は狸寝入り。


 明日こそ、超かわいい悪魔を守る力を我が手にッ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▼ なんとなく続編書いちゃいました
■続✡我こそは召喚魔術師
 
助手として従えている小悪魔系美少女が反乱を起こしました?!

今日も今日とて屋根裏部屋で、幼馴染みの美少女(その正体は小悪魔ちゃんだ)と、8年欠かさず続けてるのは、祖父より受け継いだ(古本に書いてあった)悪魔召喚の儀式。その目的は、非常に単純明快だ。マナはクラスの人気者、周囲から悪い虫を追い払う。召喚主たる俺だけが独占するには必要不可欠だから――今日こそは強力な悪魔を呼び出す!
― 新着の感想 ―
[良い点] 幼馴染みである「クラスで一番の美少女」…いや、世界で一番の美少女と一緒にお祖父さんの遺した魔導書片手に今日も今日とて屋根裏部屋でイッツ 召喚儀式! でも、毎回の失敗。 でも、彼はやめるわけ…
2022/03/21 16:55 退会済み
管理
[良い点] えっっ、記憶のこってたの!? 驚愕の事実。。((((;゜Д゜))) [一言] 羨ましいぞ! 面白かったです!!
[良い点] あらあら(∩ˊᵕˋ∩)・* やだあ、ほっこりきゅんきゅん♡ なんだあ、どっちもわかってるジレきゅんきゅん( ˶´⚰︎`˵ ) あとからじわじわにやにやしますね。 好きなやつだ……! 読…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ