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魔道具と魔導回路

 「次は……魔道具の話でもしましょうか」

「魔道具って、魔石も魔道具なんですよね」

「そうです。魔道具とは魔力使うことによって効果を発揮する道具全般を指します。魔

石の他にも杖や魔導銃、魔導装備など色々な物があるんですよ。今回お話しするのはそ

の魔道具の素材についてです」

 魔導士が使う魔道具には色々な種類がある。例えば杖や魔導銃、私が使っているショ

ルダーバッグもそうだ。しかし今回話すのは素材。つまり杖や魔導銃に使われている素

材のことだ。

 杖や魔導銃は何を素材にしているかで性能が変わってくる。性能の違いとは主に魔力

伝達力だ。例えば魔導出力が百パーセントの出力だとしても杖の素材が悪いと五十パー

セントほどの力しか出ない。逆に素材がいいと百二十パーセントの力が出せたりする。

しかし素材が良い物は大体希少で、値が張る物が多い。

 主な素材は木か鉱石で、木は殆どどの種類でも素材になる。最も良いとされているの

はユグドラシルや桜の木とされている。また木の種類によっては得意な属性などがあっ

たりもする。鉱石も大体どの種類でも素材になるが、最も良いといわれるのが魔導鉱石

といわれる鉱石で、ミスリルやオリハルコンなどがそれに当たる。また、宝石なども使

われることもあり、最も良いのはラティーアダイヤモンドやフェグニスルビーなどだ。

そして、その最も良いとされている素材を使った杖や魔道具を神器という。

 カンヤさんは言った。

「へぇ、杖にも色々な種類があるんですね。でもティアさんは杖というよりステッキで

すよね」

「これは知り合いからお借りしている物で、桜の木とオリハルコンで作られているそう

です」

「つまり神器と言うことですね」

「はい」

 一通り説明しただろうか。私はカンヤさんに「他に聞きたいことはありますか」と聞

くと、カンヤさんは言った。

「そうですね……。魔石って詠唱がいらないじゃないですか。魔導にはなぜ詠唱が必要

なんですか?」

 「そうですねぇ……。

それについては魔導回路について説明するのが早いと思います」

「まどうかいろ?」

 魔導回路とは、魔導士が魔導を発動する為に持っている神経のことで、正式名称は精

神魔導回路という。

 魔導士が魔導を発動する時まず最初に超集中によって精神に魔術回路を生成する。こ

の魔術回路を生成するのに詠唱が必要で、この技術はエルファタ人がもたらした技術と

云われている。しかし、その技術についていまだ不明な点が多い。

 ちなみに、この魔導回路を精神ではなく直接書いたものが魔導陣だ。魔導陣は魔術陣

と魔法陣の二種類があり、魔術陣は主に魔導板などに描いたり、魔道具に描いて使用す

ることが多い。また、自らの肉体に描いて使用する人たちもいる。

 魔法陣は地面に描くのがほとんどで、大きなものから複雑な形のものまである。その

効果は魔法陣がない時よりも大きいものがほとんどだ。魔法陣がないと発動できない魔

法も存在する。ロマリオでベヒーモスを封印した魔法陣がその例に当たる。

 では、魔導を発動するのに詠唱が必ず必要かというと、実は必ずではない。

 詠唱には魔導回路の生成と発動するのに必要だが、この魔導回路を極限まで簡略化す

れば詠唱を必要としない『無詠唱魔導』が可能だ。しかし魔導回路をとても複雑なもの

が多く。簡略化できているものは簡単な魔術の中の一部だけで、いまだ無詠唱で発動で

きる魔導は少ない。無理矢理簡略化して発動する方法もあるが、その場合は体への負担

が大きくなる。また、魔法については今のところほぼ不可能だろう。

 魔導士の中にはこの無詠唱魔導を極めようと、日夜研究に没頭する者もいる。

 ちなみに私が使える無詠唱魔導は四つだけだ。

 カンヤさんは言った。

「なんだかとても難しいそうですね。わたしには一生涯魔術を使えそうにありません」

カンヤさんはそう言いながら欠伸をした。

「難しい話を聞いていたら、なんだか眠くなってきました……」

「そうですね。そろそろ眠りましょうか」

 私とカンヤさんはテントに入り、寝ることにした。


 テントに入り、三十分ほど経ったころ。

 ……まったく眠れる気がしない。寝ようと思えば寝ようと思うほど、なぜか目が冴え

てくる。私は知っている。このまま無理に寝ようとしても目が疲れるだけで、さっぱり

眠れないのだと。私は知っている。眠れない原因はカフェインの採り過ぎだということ

を……。

 昼食後にカンヤさんが言っていた言葉を思い出す。

「そんなに珈琲飲んだら、夜眠れなくなりません?」

正にその通りになったのだ。

 私は眠るのを諦め、目を開けて寝袋から這い出る。カンヤさん既に寝息を立てている。

 テントから出るとガルターブさんとアデルがいた。アデルは相変わらず木の枝の上で

寝そべっている。寝ているのか、いまだ目を閉じているだけなのかはわからない。

 ガルターブさんは変わらず木を背もたれにして座っている。目は開き、手に持った本

を見詰めている。

 ガルターブさんはそのままの姿勢で言った。

「眠れないのか」

私は倒木に座りながら答えた。

「はい。なんだか眠気が来なくて」

ガルターブさんは「そうか」とだけ返事し、それ以降はないも言わなかった。

 ……取り敢えず起きてみたものの、特にすることがない。

 私はなんとなく髪を触る……すぐ飽きた。

 別に何も予定がない時間は嫌いではないが……いや、折角なのでガルターブさんとコ

ミュニケーションを試みてみよう。

「ガルターブさんは元殺し屋さんですよね? なんで辞めたんですか?」

私がなんとなくそう訊いてみた、ガルターブさんは本を捲りながら答える。

「殺し屋は元々やりたくてやってたわけではない。やらなくてよくなったから……辞め

ただけだ」

「そうなんですね。今は……ボディーガードとかですか?」

「カンヤを守っているのは只の成り行きだ」

成り行きでボディーガード……。前から思っていたことだが、ガルターブさんは本当は

優しい人というか、悪い人ではないのではだろうか。しかし、なんでそんな人が殺し屋

なんてやっているのだろう。いや、元殺し屋か。

 一拍置いてガルターブさんは答えた。

「人を探している」

 それを聞いて私は前ホテルに泊まった時に、ガルターブさんが『ゼノ』という偽名を

使っていたのを思い出した。

「それってゼノって方ですか?」

ガルターブさんは本を閉じた。

「ゼノはその内の一人だ」

 そして、ガルターブさんは探しているという人物について話始めた。

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