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サニードリー到着

 先頭車両に向かったゼールズさんは盗賊団『赤き星』を無力化。

後部車両はレイドリッチさんが全員無力化。私が爆弾の解体をし終わる少し前には五号

車にいたらしい。

 目的地に到着後盗賊団は時限爆弾と共にサニードリーの警備隊に預けた。

盗賊団『赤き星』はサニードリーに付く前の人気が少ない場所で八号車へ集まり、七号

車との連結を解除。そこで馬車と共に待っている仲間と合流。八号車の荷物を馬車に積

み込んだ後逃走という計画だったようだ。それを聞いたサニードリーの警備隊が心当た

りを捜索すると言っていたので、そちらも時期に捕まるだろう。

 それと乗客から巻き上げた盗品は元の持ち主に返却され、私のお財布も返却された。

 サニードリーに着いてから魔導列車の中で起こったことを警備隊本部で話した。話し

終わり外に出た時には、既に辺りは暗きなっていた。

 警備隊本部で事情聴取ついでに近くのホテルを訊いておいたので、その日はそのホテ

ルで一泊することにした。

 今日はもう遅いので、サラソナ商会へ届けるアタッシュケースは明日届けることにし

た。


 ――次の日。

 昨日サニードリーに着いてまず目に入ったのは、地面には張られた白レンガだった。

そしてその次に向かった警備隊本部は大理石で建てられていた。

 サニードリーの町はカイラニオよりも石材による建造物が多い。と言うのもサニード

リーは石材や主にレンガを製造する大きな工場があるからだ。カイラニオで使われてい

るレンガもここで作られている――という話を警備隊本部で警備隊員に聞いた。

 そしてここ、私が泊まったホテル『ブリック』も白レンガで建てられている。

 中は普通のホテルで大きさはカイラニオで泊ったホテル『アプワンボッズ』よりも少

し小さいが、施設は最低限揃っているので不自由はなかった。

 客室の広さもそんなに広くはないがバスルームに浴槽も洗い場もシャワーも付いてい

たので、全く不満はない。それどころかシャワーを何不自由なく使えるのに、一泊銀貨

二枚というかなり破格の値段であった。

 その破格の値段の理由を受付の人に訊いてみたところ、このホテルは警備隊本部から

近く、警備隊の人達が宿泊や休憩に利用し易いように、一部の部屋の値段を安くしてい

るそうだ。そうする事によってホテルやその周辺の治安維持にも一役買っているらしい。

どうやら持ちつ持たれつの関係の様だ。

 そしてその一番安い銀貨二枚の部屋のベッドで目覚めた私は上半身を起こして眼を擦

る。そして伸びをして欠伸をした。

 今日の予定は観光とサラソナ商会にアタッシュケースを届けるのと、観光とエルフの

隠れ里でいただいた宝石の換金。後は観光である。

 ということで……顔を洗おう。


 朝食を食べて泊っているホテルをチェックアウト。

 ホテルの外へ出ると入口前にゼールズさんとレイドリッチさんがいた。ホテルの入口

は階段状になっているのだが、階段下にいるゼールズさんが私に手を振る。

「オハヨウゴザイマース」

私は階段を下りながら挨拶を返した。

「おはようございます。お二人共どうされたんですか?」

「ワタシタチノヨウジハモウオワッタノデ、マドウレッシャノハッシャジコクマデセレ

スティアチャンノオツキアイヲシマース」

ゼールズさんはシルクハットを取り、腹部に当ててお辞儀をした。そしてそれとは対照

的に相変わらずレイドリッチさんは本を読んでいる。今日は何を読んでいるんだろうか。

しかしこの位置からだと見えない。

 そんなレイドリッチさんにゼールズさんが言う。何を言うかは最早想像に難くない。

「オマエモアイサツシロヤ」

しかしレイドリッチさんは私の方を見ず、本を観ながら軽く手を振るだけだった。それ

を見たゼールズさんが激怒。

「オマエ! チャントアイサツシロヤ!」

「なんでやねん……」

ゼールズさんの顎にレイドリッチさんのアッパーが入る。ゼールズさんは浮き上がり、

地面に仰向けになって落ちた。

 昨日もそうだが、この二人はいつもこんな感じなんだろうか?

 私はゼールズさんに近付いて声を掛ける。

「あの、ゼールズさん大丈夫ですか?」

ゼールズさんは上半身を起こして辺りをキョロキョロ見た。

「……アレ? イマ、カワノムコウギシニナクナッタマミーガミエタキガ? ドコ?」

 川の向こう岸って……渡ってはいけない三途の川なんじゃ……。


 私はその後ゼールズさんとレイドリッチさんと共に、警備隊本部へ向かった。目的は

ゼールズさんの、

「ムヤミニアルキマワルヨリ、モクテキチヲキイタホウガハヤイデース」

との発言を受け、私がそれに賛同したからだ。ちなみにレイドリッチさんは相変わらず

本に夢中だ。歩きながら読むと危ないよ……?

 それとアデルは私の肩ではなく、今はショルダーバッグの中に居る。そんなアデルが

昨晩の寝る前気になることを言っていた。


 ベッドにうつ伏せで横になり日課の日記を書いていると、枕元のすぐ横で丸くなって

いたアデルが突然言った。

「あのふたりには気を付けた方がいい」

 突然の警告に日記から目を移し、アデルの方を見た。

「……ゼールズさんとレイドリッチさんのこと?」

「あの二人からは何やら良くない気配を感じのモノを感じる。あまり気を許さない方が

いい」

私は日記の続きを書き始める。

「良くない気配? そんな感じはしなかったけど……」

「上手く隠しているだけさ。おそらく明日も我々に接触してくるだろう」

私は書き終えた日記を閉じ、仕舞いながら「ふ~ん……」と返事をした。

「それはたまたま? それとも私達を狙って近付いて来たってこと?」

「ZZZ……」

「……」

そこで眠るんかい。


 そういえば警備隊本部まで一緒にいたが、私の事情聴取が終わる頃にはいなくなって

いた。アデルは明日も接触してくると言っていたが、まさにその通りになった。やはり

私達を狙ってということなるだろう。

 いったい何が目的なのだろうか。そもそもカイラニオの警備隊と名乗っていたのに、

なぜサニードリーへ来たのだろうか。

 ……さり気なく訊いてみよう。

「そういえばおふたりの用事はいいんですか?」

「ワタシタチノヨウジハ、ジツハトウゾクダンノカクホガモクテキダッタノデース。ス

ウジツマエニタレコミガアリマシテネー」

「そ……そうだったんですね」

 サニードリーに来た目的は分かったが、何が目的で私達に近付いて来たのかは全く分

からなかった。しかしこれ以上下手に探るとこちらが怪しまれそうなので、今は考える

のをやめることにした。

 そしてそんなこんな考えている間に、いつの間にか警備隊本部に到着していた。

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