表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/33

#5猫からのSOS事件

「コーくん。荷物持ちしてくれてありがとう」


「どういたしまして」


 非番の僕は母さんの買い物に付き合っていた。両手には沢山の食材が詰まったビニール袋を持たされている。


 久しぶりの休みだったから家でゴロゴロしてたかったのだが『荷物持ちしてくれたら好きなもの作ってあげるから』と言われてしまったら付き合うしかない。


 今日の夕飯を心待ちにしながらの帰り道、突然大音量の警報が鳴り響いた。


 僕達は音が鳴る方へ走る。


 警報音はすぐに止んだが、音の出所はある一軒家だった。


 緊急事態かもしれない。僕は買い物袋を母さんに預けインターホンを鳴らす。


 少し経って扉が開く。中から現れたのは猫を抱き抱えた中年の男性だ。


「警報が鳴ったみたいですけど何かあったんですか?」


「いえ、なんでもないんですよ。こいつが警報機に悪戯したみたいで」


 男性はすまなそうな表情をして抱いていた猫に視線を落とす。


 猫は耳を畳んで丸くなり尻尾を足の間に入れていてとても大人しかった。


 隣に立った母さんは好物の飴を口に含んで男性が抱く猫に視線を注いでいるようだ。


「本当に猫の悪戯なんですね?」


 念を押すと男性は柔らかな笑みを崩さずに頷いた。


「はい。既に警備会社にも謝って鳴らしてしまった事を連絡してあります。本当にご迷惑をおかけしました」


 男性が家の中に戻っていく。僕も不審な点はないと判断しその場を離れようとするが……。


「コーくん。その人は家主じゃないわ。捕まえて!」


 母さんの言葉に男性が逃げ出そうとしたので、すぐさま取り押さえる。


「くそ、なんでバレたんだ⁉︎」


 捕まえた男性が悪態をつく。


「なんで偽者って分かったの?」


 母さんは男性の腕から逃れた猫を撫でながらこう言った。


(この子)が教えてくれたのよ」


 猫は母さんの腕の中で「ニャー」と甘えた声を出した。


 問、どうして母さんは家主が偽物だと分かったのでしょうか?



 答

 え

 は

 こ

 の

 下

 に

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓



 答、猫が尻尾を足の間に入れているのは怖がっているサインなの。

 おかげで家主が偽者だって分かったわ。

 今回は猫さんのお手柄ね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ