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#4喧嘩の原因は花束事件

 スマホに登録してある番号に掛けると、相手はすぐに出た。


『はい』


「あっ母さん。僕だけど今時間あるかな」


『ええ。洗濯ひと段落したところだから大丈夫よ』


「よかった。ちょっと相談したいことがあって」


『事件の事?』


「ううん。事件じゃないんだ。でも当人にしたら大事件かな」


 僕は後輩に起きたトラブルを母さんに説明する。


 後輩には花屋で働く恋人がいる。


 何でも偶然見かけた彼女に一目惚れして、勇気を出して告白したらしい。


 付き合う事を聞いた時、凶悪犯と対峙するよりも緊張しましたと顔を真っ赤にしていた。


 二人は何度かデートをして仲良くなっていき、喧嘩もしなかったらしい。


 ある日。後輩は彼女に感謝の気持ちを贈ろうと自分で見繕った花束をプレゼントしたらしいんだ。


 絶対彼女は喜んでくれると思ったそうだが……。


 受け取った花束を見た彼女の笑顔が一転して怒りの形相に変わり、花束を突き返されてしまった。


 後輩はショックが大きすぎて、今も仕事に手がつかない状態になっている事を母さんに話した。


 一部始終を聞いた母さんから質問。


『後輩さんは怒られたことに心当たりはないの?』


「本人はないって言ってる。ただ原因を聞こうとしても怒られんじゃないかと怖がって、メールもできないみたい」


『彼女さんは花束を見て怒ったみたいだから花束に原因がありそうね。送った花は分かるかしら』


「ちょっと待って」


 僕は後輩にメールして確認する。


「えっと花は白バラ、黄色いヒヤシンス、クロユリの三種類だってさ。ちゃんと花言葉も調べて選んだみたいだよ」


『白バラ、黄色いヒヤシンス、クロユリ」


 花の名前を呟くのが受話器越しに聞こえた。


『お母さん謎が解けました!』


 次の瞬間。そんな嬉しそうな声が受話器から溢れ出た。


「喧嘩の原因が分かったの?」


『ええ。原因はクロユリだったのよ。それと二人はきっと仲直りできるわ」



 問い、何故母さんはクロユリが喧嘩の原因だと分かったのでしょう。



 答

 え

 は

 こ

 の

 下

 に

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓



 答、クロユリには『呪い』という花言葉があるの。

 戦国時代に無実の罪で殺されてしまった女性の呪いの言葉から来ていて、彼女さんはこれを知っていて怒ってしまったのよ。

 でも、もう一つ花言葉があるの。

 それは『恋』

 好きな人の近くに想いを込めたクロユリを置いてその人が手にした時、二人は結ばれるというアイヌの言い伝えがあるの。

 後輩君はそれを知って彼女さんに贈ったのよ。

 後日無事に二人が仲直りしたとコーくんから聞きました。

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