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#3名誉の負傷事件

  僕は血だらけの掌を見つめながらその場に腰を下ろした。


「コウ。大丈夫か」


 目の前に座り込んだスイ姉が心配そうに声を掛けてくる。


「うん。何ともないよ」


 僕とスイ姉は逃亡中の犯人を見つけて追跡し、今さっき取り押さえたところだ。


「それにしてもスイ姉はすごいね。蹴り一発で犯人をノックダウンさせちゃって」


 気絶した犯人は駆けつけた警官に取り押さえられている。


「何言ってるんだ。コウが体当たりしたから犯人に隙ができたんじゃないか」


 確かに犯人は無防備になったけど、決めてはやっぱりスイ姉のハイキックだ。


 それに比べて僕は体当たりした時に転んで掌を擦ってしまった。我ながら情けない。


「ほら傷見せて。あー擦り傷になってんじゃん。応急手当しないと」


 掌の傷を見たスイ姉は僕が口を開く前に近くのコンビニに消えていった。


 数分もしないで戻ってきた彼女はミネラルウォーターを僕の傷口に掛ける。


「痛っつ」


「我慢しなさい」


「我慢してるよ。もう子供じゃないんだから……」


 実際は涙が出そうなくらい痛かった。


「子供じゃないなら、どっちを使ったら治りが早いか知ってるよね? 外したらコウが嫌いな病院に行くからね」


 そう言ってコンビニの袋から取り出したのは、消毒薬と食べ物を保存するのに使うラップ……何故ラップ?


 僕は迷わず「消毒薬」と答えると、スイ姉に「はい残念〜」と言われてしまった。


「正解はラップでしたー」


 見事に外した僕は、ワセリンを塗ったラップを傷口に巻かれ、泣く泣く病院に連れて行かれました……。



 問い、何故消毒薬よりラップの方が良かったのでしょうか?



 答

 え

 は

 こ

 の

 下

 に

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓



 答え、消毒薬じゃバイ菌だけでなく傷の再生をしてくれる細胞まで破壊してしまう。更に乾燥にも弱い。

 だからラップを巻いて傷口を乾燥させないことが大切で、これを湿潤療法っていうんだ。










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