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#2 お揃いスマホ殺人事件

 ホワイトボードと睨めっこしていると、後ろからパタパタと慌ただしい足音が聞こえてきた。


「いたいた。コーくん!」


 振り返らなくても誰がきたか分かる。


「……母さん。また警察署内に勝手に入ってきたの」


「ちゃんと署長さんには許可とってあるわ。はい忘れ物」


 渡されたのは丁寧に包まれたお弁当箱だ。ほんのり温かい。


「ありがとう。ほら用事終わったらさっさと帰って。僕忙しいんだから」


 母さんが僕の背後にあるホワイトボードに視線を注いでいる事に気付いた。


「新しい事件?」


 ホワイトボードに近づいた母さんは事件の概要を全て記憶するように見つめている。


 こうなると梃子でも動かない。


「そう。今日の早朝。自室で花咲(ハナサク)真保(マホ)さんが殺害されているのが発見されたんだ」


「彼女、犯人の手がかりを遺したみたいね」


 母さんが被害者の写真を指差す。


「うん。左手に自分のスマホを持ち、右手で 『MAHO』と血文字を書き残してた」


 スマホの画面は自らの血で汚れ、被害者の隣に写る女性が真っ赤に染まっている。


「この待ち受けに写っている女の子は誰? とっても仲良さそうね」


「彼女は山根(ヤマネ)友子(ユウコ)さん。被害者とは服や小物、スマホもお揃いにするほどの親友で今回の第一発見者。

  大学に行く約束をしていた被害者が待ち合わせ場所に現れないから心配になって家に行ったら、倒れてる被害者を発見したらしい」


「犯人は分かってないの?」


「今、大学で聞き込みしてもらってる」


「スイちゃんも行ってるのね」


「スイ姉――彼女も聞き込みに行ってるよ」


「真保さんの持っていたスマホは調べてみたの」


「うーん、パスワードが解除できないんだ。四桁なのは判明してるんだけど、解析まで時間がかかってる」


「何故『MAHO』って自分の名前を書いたのかしら」


母さんは飴を舐めると、頰に指を当てた。


しばらく無言だった母さんが突然手を叩く。


「お母さん。謎が解けました!」


突然の大声に僕だけでなく部屋中の人間が彼女の方を見ていた。


「コーくん。犯人は山根友子さんよ」



問、何故母さんは山根友子が犯人だと分かったのでしょうか?





答え、真帆さんが持っていたスマホは友子さんので、『MAHO』の血文字は友子さんのスマホのパスワードだったの。

友子さんは犯行後気が動転して取り違えてしまったのよ。

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