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下手なので野球教室に通ってみた  作者: あつ
序章 出会いと日常
18/24

配球

 あかりとゆうきは、しばらく一緒に練習していたが、ついにさなみとの日程が合い3人で練習することになった。

 さなみもこのボーイッシュ美少女を見た時に女の子のキャッチャーであることにびっくりしていたが、すぐに打ち解けて仲良くなっていった。


 「ピッチャーとキャッチャーがいることだし、どうせなら実戦形式で勝負しない?」


 不敵な笑みでそう切り出したボーイッシュ美少女は、早々にキャッチャー防具をつけてさなみを打席に入るよう促す。

 さなみも久々にあかりと対戦することになるのでわくわくしながら打席に立った。


 「とりあえず、何か掛けるものがないと盛り上がらないよね。ということで負けた方が3人分のジュースを奢るということで。」


 こんな調子であかりも楽しそうに勝負を盛り上げる。

 そんなこんなしていると、塾長がきて審判をしてくれるそうだ。

 いよいよ本格的な勝負になってきたなというところで始まった実践形式の勝負だったが、なんとさなみの3打席連続三振という結末で終わってしまった。

 正直何が起こったのかわからなかった。

 狙っていたボールが一球もこず全て逆をつかれ手が出ずに追い込まれ、あえなく三振。

 こうも逆をつけるものなのか。

 変化球を売りにしているあかりにそんなことをやられると手の内ようがない。

 そして、この事態を作った張本人がこのキャッチャーである。


 「いやぁ、さなみさんの負けということでジュースお願いできます?僕は、オレンジジュースで。」


 まあ、負けたからには、仕方がない。

 塾の目の前にある自動販売機で全員分のジュースを買ったあと、どうしてこのような結果を生み出せたのか、聞くことにした。


 「配球という考え方は、もちろん知ってると思うけど多くのキャッチャーが配球の意味を履き違えている。相手を打ち取ることだけを意識すると、逆をつきたくなりドカンといかれる。」


 その通り、と言いながら審判をしながら黙っていた男がやっと口を開いた。


 「配球というのは、逆をつけばいいというわけではない。一番重要なのは、得点のリスクを極限まで減らすということなんだよ。意味は一緒のようで似て非なるものなんだ。」


 リスク管理ができるようになるには、それぞれの球種の性質を知っておく必要がある。


ストレート 追い込んだ際の見逃し、ファール           

      確率が高い


スライダー ファール、フルカウント時の

      スイング確率が高い


シュート  被打率は、高いが長打率は低い


カーブ   見逃し三振は確率が高いが

      ボールゾーンスイング率は、低い


フォーク  ボールゾーンスイング率が高いが

      ゾーン内の長打率が高い


 簡単に書いたが、基本的なことを頭に入れつつ、相手バッターが何を狙っているのかそして、ピッチャーの調子を加味しながら一番点を取られないボールを常に選択する。

 これが配球である。

 今のあかりは、久々のさなみとの対戦で調子がよかった。

 逆にさなみは、力が入り重心が前のめりだった。

 だとしたら、ストレートとシュートでカウントを取りつつ、最後はフォークというシナリオの元、少し他のボールで盛り付ければ、料理完成だ。

 ゆうきのキャッチャーとしての能力を認めざるを得ない、そしてめちゃくちゃいい子だし友達になりたい。

 そんな気持ちになったさなみは、気づいた時には、スマホを片手にQRコードを出していた。

 連絡先をゲットした野球女子友達は、これで4人となった。

 また増えるといいな。

 そんなことを思いながら、またさなみは、野球塾に通い続ける。

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