7875T列車 変態の片鱗
皇紀2745年4月1日(第38日目) 国鉄仙石線仙台駅。
これから乗るのは仙石線だが、僕たちはまず東北本線のホームにいた。先に青森行きの特急「あおば」が先発する。だが、僕たちはそれに目はくれなかった。一角にキハ58形が何両も連なって止まっている。電光掲示板には急行列車3列車が順番に表示されている。
「急行陸中 秋田」
「急行くりこま 青森」。
「急行むろね 盛」
とでている。最も客が集中しているのは青森行きの急行「くりこま」だが・・・。
「あれが「陸中」。」
「ああ。」
真ん中に挟み込まれている3両のキハ58形。あれが秋田まで行く列車だが。その行き方というものは全く状況が違う。
「あれは今日は乗れないね。」
「まぁ、回るところが違うからなぁ。でも、明日は乗れそうかな。」
「また長いこと急行列車に乗らないといけないのかぁ。」
「仕方ないだろ。そういうのなんだからな。」
「じゃあ、仙石線の所に行こうか。」
仙台→仙石線→松島海岸
枕崎→広尾間の最長往復切符往路松島海岸駅で途中下車
松島海岸で仙石線の列車を降り、松島に行った。松島は日本三景の一つ。この切符で行けば松島、天橋立、宮島の3つを全て回ることが出来る経路となっている。そういう面では都合がいい。
海に点在する島々に松の木が埋め尽くしている。よくもまぁ、あんな所にいっぱいは得たなぁと思える。
「こういう松の木が中二病のまま大人に成長したって奴。」
真横に幹が伸びる松の木をそう表現した。中二ってなぁ・・・。
「これを中二って表現したのは播州さんだからね。」
「それは知ってるって。」
「でも、あすこにある松の木ももっと広い世界に行きたいと思わないのかな。」
「松の木に感情があるならそう思っているかもね。」
「松の木に感情ってあるかな。」
「うーん・・・。」
昔から、言霊って言うのもあるからなぁ。言葉って言う実態のないものに魂が宿るなら、命ある植物に感情があっても不思議じゃ無い。ただ、人間には最初から感情って言うものが備わっているからそれがどういうものかっていうのは想像できない。
「有るんじゃないか。」
僕はそう答えることにした。分かんないことは浪漫でいい。
松島観光を終えて、仙石線で石巻を目指す。石巻からは石巻線に乗車し、前谷地駅で下車。前谷地駅からは気仙沼線に乗車し、気仙沼で下車する。今日の異動はこれにて終了とする。
松島海岸→仙石線→石巻
石巻→石巻線→前谷地
前谷地→気仙沼線→気仙沼
枕崎→広尾間の最長往復切符往路気仙沼駅で途中下車




