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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 首都圏
90/270

7869T列車 鉄道事業はバイトです。

皇紀2745年3月29日(第35日目) 国鉄(こくてつ)総武本線(そうぶほんせん)成東(なるとう)駅。

 朝方の成東(なるとう)駅は千葉(ちば)方面へ向かう乗客の方が多い。ここら辺は千葉(ちば)や遠く東京(とうきょう)へ向かう通勤客の方が多そうだ。一方で、僕たちが乗る方面は学生が多い。今は春休みの筈だが、全員大きな荷物を提げている辺り運動部なのだろう。

 駅に113系が入線する。下を紺色、上をベージュっぽい色に塗られる。元々|横須賀線で忙しくしていたのだろう。今は4両に短くなって隠居しているようだが・・・。

成東(なるとう)総武本線(そうぶほんせん)銚子(ちょうし)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路成東(なるとう)駅から使用再開

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路松岸(まつぎし)駅到着に伴い途中下車

松岸(まつぎし)銚子(ちょうし)銚子(ちょうし)駅で下車時運賃清算の上乗車

 銚子(ちょうし)駅で僕たちは降りた。銚子(ちょうし)は醤油工場もあるし、ここから先に延びる銚子鉄道(ちょうしてつどう)もある。向こうで最長往復切符をやったときは醤油工場に行ってそれを見学したが、ここからでていた銚子鉄道(ちょうしてつどう)には目もくれなかったことを思い出す。

 僕たちはお店の前へと行った。

「恵んであげる。」

萌が僕に聞く。

「ああ、恵んであげようか。すいません、ぬれ煎餅とまずい棒お願いします。」

「はーい。」

店主はそう返事すると慣れた手つきでささっとぬれ煎餅とまずい棒をまとめてくれた。

 銚子(ちょうし)駅のホームへと戻ると特急が2本止まっている。左側に止まっているのは東京(とうきょう)行き特急「ビューしおさい」。右側に止まっているのは東京(とうきょう)行き特急「すいごう」だ。両者はどちらも同じ東京(とうきょう)行きだが、「しおさい」は僕たちがさっきたどってきた方向へ走り、「すいごう」はこれから僕たちが向かっていく方向へ走っていく。当然乗るのは「すいごう」の方だ。

銚子(ちょうし)総武本線(そうぶほんせん)成田線(なりたせん)特急「すいごう」→佐原(さわら)

 特急「すいごう」に乗っている間に僕たちは買ったぬれ煎餅とまずい棒を食べた。ぬれ煎餅もまずい棒も美味しい。これはまた買ってみたくなるものだ。

「まずい棒って言うと、本当に不味いと思われるんじゃ無い。」

「経営がまずい棒だから、美味さには関係ないでしょ。」

銚子鉄道(ちょうしてつどう)って言うのは鉄道だけで儲かっているとは言いがたい会社だ。それはこちらでも変わらないらしい。ぬれ煎餅もまずい棒もそれを逆手に取った商売としてやっているのだ。

(・・・考えてみたら日本ってどうも自虐ネタを商売にする鉄道線ってあるなぁ・・・。昔から。)

ふとそんなことを考えた。自虐でも来てくれなければ意味がない。その面では銚子鉄道(ちょうしてつどう)は良い場所にあるのかもしれない。東京(とうきょう)から比較的近いところにあるし、特急「しおさい」であれば1本で来ることが出来る。

「これ、また買うか。」

「賛成。」

 列車はあっという間に佐原(さわら)に到着。この駅で鹿島神宮からの特急「あやめ」を従え、「すいごう」は東京(とうきょう)へと走り去る。さて、僕たちは佐原(さわら)で古い町並みを見て回ろう。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路佐原(さわら)駅で途中下車


一口メモ

特急「しおさい」

東京(とうきょう)銚子(ちょうし)間に設定される特急列車。総武本線(そうぶほんせん)を走破する系統にこの名が与えられている。


特急「すいごう」

東京(とうきょう)銚子(ちょうし)間に設定される特急列車。成田(なりた)佐原(さわら)経由で走破する系統にこの名が与えられている。


ぬれ煎餅・まずい棒

銚子鉄道(ちょうしてつどう)が売るお菓子類。銚子鉄道(ちょうしてつどう)の主な収入源である。


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