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MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 首都圏
88/270

7867T列車 鋸

皇紀2745年3月28日(第34日目) 国鉄(こくてつ)内房線(うちぼうせん)千葉(ちば)駅。

 千葉(ちば)駅は成田(なりた)方面と蘇我方面に向かって扇形に広がっている。平面にあるホームには東京(とうきょう)方面行きの列車と電車がひっきりなしに入る。黄色帯の電車にもスか色の電車にもびっしりとスーツを着た人間がひしめいている。時折通過する特急車両の方が空いているんじゃないか。そう思って中を覗いてみるとそっちにもサラリーマンが乗っている。空席はあるが、これはこの先の停車駅で埋まって行くであろう。

「相変わらず、東京(とうきょう)は人が多いわねぇ・・・。人に酔いそう・・・。」

萌がつぶやく。確かに、この多さは異常と言ってもいいだろう。東京(とうきょう)一極集中はこっちでも問題のようだ。

「まぁ、酔わないところ通るから。」

千葉(ちば)駅から特急列車に乗る。列車は「ビューさざなみ」館山(たてやま)行きだ。その時間になると明るい色で塗られた特急電車が千葉(ちば)駅のホームに入ってきた。普通の通勤電車でさえ12両繋げているが、この特急は6両。入ってくるときも「短い6両編成で」とアナウンスがあった。

千葉(ちば)内房線(うちぼうせん)特急「ビューさざなみ」→浜金谷(はまかなや)

 車内は6両編成と言うこともあって多少混でいる。東京(とうきょう)からの列車が6両って言うのはどうなんだろう・・・。だが、木更津(きさらづ)駅で状況が変わった。

木更津(きさらづ)駅で前に横浜(よこはま)方面から参ります「ビューさざなみ号」9両を繋ぎます。」

そんなに繋ぐらしい。こちらが木更津(きさらづ)駅に入る頃には既に横浜(よこはま)からの列車が待っているらしく、列車は2回止まり、3回目の停車で連結した。

 長くなった「ビューさざなみ号」は房総半島を南下。僕たちはその途中駅浜金谷(はまかなや)駅で下車した。暴走半島をこんなに長い列車が走っているというのは不思議な感じがする。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路浜金谷(はまかなや)駅で途中下車

 浜金谷(はまかなや)駅で列車を降りた人は多い。服装からして明らかに観光客ばかりだ。

「この人達も鋸山行くのかな。」

「行くんじゃいか。僕たちも行くんだし。」

「そうね。」

浜金谷(はまかなや)駅から見える山。そこを目指す一団に混ざり、僕たちも鋸山を目指す。

 鋸山は石を切り出していた山でここの遺志は早稲田大学の校舎にも使われているらしい。そんな権威ある学校に使われるぐらいだ。今もどこかに使われているのかと思ったら、とっくに出荷は停止しているらしい。今は所々に残ったその後をみるに過ぎない。

「昔はここから切り出した石を持ってったんでしょ。」

萌は階段の途中に立ち止まる。坂は急でとても石を降ろすために使っていたとは思えないくらいだ。まして、ここで働いていたのは女性達だと聞く。男でもこれは重労働だ。これと北海道での野外懲役を比べたら、どっちが楽だろう・・・。

「・・・そこ滑らせてたんだろ。」

階段の脇には石で出来た溝がある。ここが石材を麓に降ろすために使っていた場所らしい。

「でも、ある程度速度着いたらここからも飛び出しちゃうでしょ。ちゃんとスピード制御するためには上に大人数いるんじゃないの。」

「ああ・・・。それは。」

今やそれは記録でしかみることが出来ない。本当に伝えるって言うのは目に見える形・・・。それを維持するってことじゃ無いかと思うのだ。


一口メモ

国鉄(こくてつ)255系

房総方面向け特急電車として製造された特急電車。この車両が用いられる特急列車は「ビュー○○」と名乗る。


特急「ビューさざなみ」

内房線(うちぼうせん)系統の特急列車。東京(とうきょう)館山(たてやま)安房鴨川(あわかもがわ)を結んでいる。東京(とうきょう)湾を横断する路線が出来たことで横浜(よこはま)からの系統も設定された。


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