7863T列車 首都圏の洗礼
皇紀2745年3月26日(第32日目) 国鉄横浜線八王子駅。
八王子に来たことから通勤時間帯って言うのはもはや地獄絵図である。オレンジ色に塗られた201系が次々と東京方面に出発していく。時計を見てみると3分に1回ペースででている。しかし、八王子のホームにはスーツを着たサラリーマンがごった返している。中央本線だけでこんな状況になっているところをみるとまだホテルを出る気分ではない。ちょうど中央新幹線が通っていった。
「しばらく待ったようよ。10時くらいになったらもうちょっとましになるでしょ。」
と萌が言う。
「そうだな。」
僕もそれには同意だ。横浜線の電車に乗る。朝ラッシュ時間帯は外してでたつもりだが、八王子駅は混んでいる。
八王子→横浜線・相模線→茅ヶ崎
枕崎→広尾間の最長往復切符往路八王子駅から使用再開
横浜線は9時過ぎだというのに混んでいる。橋本駅で結構降りたが、それはあくまで横浜線を通っていたからだろう。相模線に入ってから車内は結構空いた。ドアもドア横に付いているボタンを押して降りる方式に変わった。相模線も首都圏の路線の一つだし、そこまで廃れている路線でも無いと思うのだが・・・。
茅ヶ崎に来ると東海道本線の列車に乗り換え。右へ、左へ16両編成の電車が走る。ウチ2両に2階建てのグリーン車が連結されている。相変わらず、凄い場所だ。
茅ヶ崎→東海道本線→国府津
国府津駅に停車。かつての箱根越えの拠点を今は静かになっている。一角に泊まっている313系2両編成に乗り換える。ロングシートに座るのはそろそろ慣れてきた。
国府津→御殿場線→松田
枕崎→広尾間の最長往復切符往路松田駅で途中下車
小田急電鉄の線路をくぐり松田駅に入る頃、ちょうどお昼過ぎとなった。ここでお昼ご飯の調達のためにいったん下車する。ホームに降りてみるとこの辺りの名所が記載されている。
「二宮金次郎生誕碑・・・。」
それが駅の近くにあるらしい。どうもこの地が二宮金次郎の生まれ育ったところらしい。
見に行っているとそれは学校でよく見た背中に巻きを背負い、本を読みながら歩く姿だ。今は学校で余り見られなくなっているって聞いたことはあるけど、実際の所どうなんだろう・・・。まぁ、いいや。
「昔はこの人学校にあっても何であるのかなって思ってたけどね。」
「まぁ、子供で二宮金次郎がどういう人かっていうのはよく分かんないでしょ。
実際の所そうだろうなぁ。
「ここが生誕の地なら、二宮金次郎宅みたいなのもあるのかな。」
萌がそう言ったので、調べてみると確かにそれはある。ただ、松田駅からかなり遠い。小田急電鉄に乗って3駅くらい乗ってから10分くらい歩く必要がある。
「どうする。」
「じゃあ、復路でよるって事で。忘れないでよ。」
「分かったよ。」
松田駅に戻り、特急列車を待つ。御殿場線には小田急電鉄から直通する「あさぎり号」が入ってくる。大きい窓に白を基調とした車体。どことなく新幹線っぽい雰囲気が漂う美しい電車だ。真ん中くらいに2両2階建て車両を連結している。御殿場線の富士山を拝むためにはそこに乗った方が良いだろう。
松田→御殿場線特急「あさぎり」→沼津
一口メモ
国鉄371系
小田急電鉄新宿線に乗り入れるために開発された特急型電車。特急「あさぎり」を主な仕事先としている。
特急「あさぎり」
小田急新宿~沼津間を走る特急列車。小田急電鉄のロマンスカーRSEと国鉄371系で共同運行される珍しい列車である。




