表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC7 -日本一の切符2745-  作者: 浜北の「ひかり」
枕崎→広尾(往路) 中日本
77/270

7856T列車 上れ、「戸隠」

皇紀2745年3月22日(第28日目) 国鉄(こくてつ)上越線(じょうえつせん)水上(みなかみ)駅。

 旅館から出て水上(みなかみ)駅に向かう。ホームには上野(うえの)行きの特急「水上(みなかみ)」が止まる。しかし、あれに乗るつもりはない。僕たちは出発する「水上(みなかみ)」を見送り、高崎(たかさき)行きの普通列車に乗り込んだ。

水上(みなかみ)上越線(じょうえつせん)高崎(たかさき)

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路水上(みなかみ)駅から使用再開

 山を下り、高崎(たかさき)の街へと入る。高崎(たかさき)駅から信越本線(しんえつほんせん)に入る。軽井沢(かるいざわ)の方へ抜けることが出来る列車は長野(ながの)行きの急行「戸隠(とがくし)」と長野(ながの)行きの特急「あさま」だけらしい。普通列車は横川(よこかわ)行きと松井田(まついだ)行きが設定されているが、軽井沢(かるいざわ)へ抜けることが出来る普通列車は昼を過ぎても無い。

「どっち乗ってく。」

萌の問いに少し迷う。急行列車は料金が安く人が多い。特急列車は料金が高く人はそれなりに少なくなっている。これにどっちの選択をするのか。時間で言えば普通に急行「戸隠(とがくし)」を選択かな・・・。座れなかった時を考えるとちょっとと思うが・・・急行でいいか。

高崎(たかさき)信越本線(しんえつほんせん)急行「戸隠(とがくし)」→小諸(こもろ)

 高崎(たかさき)を出発し、しばらく街中を走ったかと思うと辺りの風景が様変わりする。前にここを通ったときは暗くなってからだから気付かなかったが、信越本線(しんえつほんせん)はこうも様変わりするような路線なのか。

「山の雰囲気がヤバいよ。」

「本当だねぇ。」

「こんな険しいところに鉄道通そうなんて昔の人はよく思ったもんだねぇ・・・。」

とは思ったが、上越線(じょうえつせん)の建設進んでいなかったことと東京(とうきょう)~日本海側を結ぶ唯一のルートとして機能する役割を与えられていたことを考えるともはや場所を選んでいられる場合でもなかったのかもしれない。

「・・・まぁ、僕たちはこういう恩恵に預かれること感謝しかないよなぁ・・・。」

「だねぇ・・・。」

 「戸隠(とがくし)」は山を上り、あるところが大きく開けた。信越本線(しんえつほんせん)最大の難所碓氷峠を越えるための拠点横川(よこかわ)駅だ。窓の外には大量のEF63形電気機関車が止まっている。駅には上野(うえの)行きの特急列車が止まっているし、ホームには多くの人たちがいる。しかし、その人達は特急列車の発車と共に去って行った。

 「戸隠(とがくし)」の車内も騒がしくなった。席を立つ人が多い。どうみてもここで降りる人はいなさそうだ。この間に連結風景を見たり、峠の釜めしを買ったりする時間に充てるのだ。この急行は窓が開くから、窓から手を伸ばして釜飯を二つ買った。

 列車の一番後ろにEF63形電機が連結され、碓氷峠に挑む。

「・・・。」

窓から外を見ていてもあまり急坂のようには思えない。

(こんな坂ごときにここまでする必要があるのか・・・。)

とさえ思うが・・・。もしかしたら、碓氷峠の本当の恐怖って言うのは実感が湧かないことなのかもしれない。

 軽井沢(かるいざわ)に向かう途中信号所を通り過ぎる。坂を下る列車はEF63形を先頭に進んでいく。オレンジとかかなり明るい色が使われている。楽しそうな列車らしい。

 坂を登り切ると軽井沢(かるいざわ)に到着。「戸隠(とがくし)」からEF63形が切り離され、快調に飛ばす。小諸(こもろ)駅に着いたところで僕たちは急行を降りた。

枕崎(まくらざき)広尾(ひろお)間の最長往復切符往路小諸(こもろ)駅で途中下車


一口メモ

国鉄(こくてつ)167系

169系急行形電車をベースに開発された修学旅行専用列車。扉の大きさ以外違いは無いため、普通の急行列車運用に混じって就いている。


国鉄(こくてつ)169系

碓氷峠を越えるための設備が施された急行形電車。


急行「戸隠(とがくし)

上野(うえの)長野(ながの)間を走行する急行列車。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ